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守銭奴のような独身兄、病魔に倒れる
「もう、本当にバカらしくて…」
そういって頭を抱えるのは、会社員の山田裕二さん(48歳・仮名)。山田さんは子ども時代からそりが合わなかった独身の兄の賢一さん(52歳・仮名)から病気を告白され、数カ月にわたって面倒を見続けた。ところが兄の死後、想定外の展開が待ち受けていた。
「私の亡き父親は、横浜市の地主の末っ子です。自宅不動産や収益物件など、割と立地のいい場所に不動産を保有していました。財産の総額は2億円以上あったはず…」
裕二さんは30代半ばで結婚したが、配偶者となった女性は5歳年上で再婚だった。元夫との間に子どもが1人がいたが、元夫の強い要望で、元夫のもとに残してきたという。
「結婚当初、両親からも兄からも、大反対を受けました。その後、間を置かずに両親が続けて亡くなったのですが、兄からは〈お前が心配をかけたから、寿命が縮まったんだ〉と責められまして…」
両親は遺言書を遺していなかった。兄は「お前に財産を渡せば、関係のない家にうちの遺産が流れることになる」といって、全財産を兄が相続することを主張。泥沼のいさかいになりかけたが、妻の「普通に暮らせているんだから、もらわなくてもいいじゃない」とのひとことで、裕二さんが折れることに。
そのような形で「決別」した裕二さんと兄だったが、それから数年たったある日、兄から突然電話がかかってきた。
「今日、病院で余命宣告された」
兄は相続トラブルの直後にがんを発症しており、治療を繰り返すもその甲斐なく、余命宣告を受けていたのだった。
「2人きりのきょうだいなのに、仲たがいしてしまって…」
