(※写真はイメージです/PIXTA)

少子高齢化が進む日本では、かつて一般的だった「三世代同居」の在り方が変化しつつあります。厚生労働省『国民生活基礎調査』(2024年)によれば、世帯構造のうち「三世代世帯」は全体のわずか3.4%。経済的・身体的に支え合えるメリットがある一方で、家計負担やライフスタイルの違いから生まれるストレスも無視できません。特に、働き盛りの世代が親の生活や医療費を支え、さらに自分の子どもの教育費も抱えるケースでは、“支える側”の生活が逼迫してしまうことも少なくないのです。

「同居すれば、少しは楽になると思っていた」

「母の年金で生活が少し楽になるかと思ったんです。正直、甘かったですね」

 

そう語るのは、都内在住のシングルマザー・田村明美さん(仮名・44歳)。10歳の娘と2人暮らしだった彼女は、2年前に当時75歳だった母・幸子さん(仮名)を自宅に呼び寄せ、「三世代同居」を始めました。

 

きっかけは、母が一人暮らししていた地方の賃貸アパートで転倒し、骨折したこと。もともと「何かあったらすぐに駆けつけられない」と心配していた明美さんは、「同居が一番」と決断しました。

 

「母は厚生年金を月18万円ほどもらっていて、“年金生活者の中では恵まれている方”だと思っていたんです。でも、現実はまったく違いました」

 

当初、母の年金は「家賃代わり」として生活費に回す予定でした。ところが、母が都内の病院で継続的に通院治療を受けるようになり、毎月の医療費・薬代が1万円以上に。介護認定はまだ受けていませんが、通院の付き添いや買い物も明美さんが担う必要があり、仕事を早退する日も増えました。

 

「一番痛かったのは、食費と光熱費です。大人が一人増えるだけで、思っていた以上に家計が苦しくなりました。夏場はクーラーを母の部屋につけっぱなしにしていたし、以前より光熱費が月5,000〜8,000円は上がっています」

 

さらに、娘の中学進学を控え、学習塾や教材費などの教育費もかさんできたタイミング。「子育てと介護のダブルケア」に近い状況に追い込まれ、明美さんのストレスは限界に達していました。

 

年金が18万円あれば安泰、と思うかもしれません。しかし、実際には高齢者の医療費、生活費、さらには将来的な介護費用までを賄うには十分とは言えないケースも多いのが現実です。

 

例えば、介護保険制度においては、65歳以上の人は「第1号被保険者」として、要介護認定を受けた場合にサービスが提供されますが、要介護1〜2程度の軽度者は、訪問介護などに利用制限がかかる自治体もあります。また、介護サービスを使っても、1割〜3割の自己負担が生じます。

 

家族による同居・介護を前提とした制度設計になっている側面があり、田村さんのように“支える側”が経済的・精神的に疲弊することも珍しくありません。

 

 \1月20日(火)ライブ配信/
調査官は重加算税をかけたがる
相続税の「税務調査」の実態と対処方法

次ページ「それぞれ別に暮らした方が、うまくいくのかも…」

※本記事のインタビューではプライバシーを考慮し、一部内容を変更しています。

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録