ローン返済で生活費圧迫、鬱状態に…夫婦の決断
ローン返済の重さに加え、生活費も圧迫される中で、妻は次第にふさぎ込み、鬱状態になりました。
最終的に住宅ローン残高を抱えたまま、築30年の中古マンションを売却することにしました。売却価格は約1,100万円。ローン残債約250万円を返済すると、手元には約850万円が残りました。仲介手数料などを差し引くと、最終的に夫婦の手元には700〜800万円ほどが残ったことになります。
「終の棲家」と思い入れのある家を手放す決断はつらかったものの、背に腹は代えられません。その後、公営団地に引っ越し、ようやく生活は安定し、安らぎを得たといいます。
振り返れば、50代での「焦りの住宅購入」が失敗の始まりでした。確かに高齢になると賃貸契約は難しくなることがあります。しかし、公営住宅や高齢者向けの賃貸保証制度など、調べてみれば選択肢はあります。
年をとっても賃貸で暮らすことはできるという事実を、もっと知っておくべきだったと夫婦は語ります。また、年を取ってからの家の売却は、精神的な負担が想像以上に大きいものでした。
「家を手放すのは、胸が痛みました。それに、気持ちが塞いだ状態で売却したり、引っ越ししたりも大変で……。なんとか気力を奮い立たせました」
佐々木さん夫婦の経験は、「老後の安心」を求める気持ちが、かえって生活を不安定にしてしまう典型例といえるでしょう。焦って決断する前に、賃貸の可能性を含めて幅広く検討することが、何より大切なのです。
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