夫婦で協力して老後に備えてきたつもりが…
誠一さんはその後、友人の紹介で弁護士に相談し、協議離婚の交渉に入ったといいます。自分の名前が書かれた合意書を「机の上にうっかり置いていた」ことが、むしろ話し合いのきっかけになったとも言えるでしょう。
老後破産や熟年離婚が社会問題となるなか、退職金や貯蓄といった“最後の資産”をめぐる争いは、今後も増加するとみられています。
「夫婦で協力して老後に備えてきたつもりが、片方だけが準備を進めていた」というケースは、精神的なダメージが大きいものです。
「それでも、俺は幸せだったと思いたい。結婚して、子どもがいて、家を買って、働いて……でも今は、なんとも言えない虚しさだけが残っています」
と語った誠一さん。
半分になった老後資金を前に、彼はこれからの生活を一人で見直そうとしています。
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