富裕層二世三世(働かないでよい高等遊民)の出現
もう一つ見逃せないのが富裕層二世三世の存在です。これはもともとの富裕層であった人の子や孫を指すものです。戦後から高度成長期を経て平成に至るまでの間はこうした種族はごく限られた層に過ぎませんでしたが、最近はその存在感が高まっています。
戦後80年の間に富を蓄えた一族は、たとえば戦後祖父母が立ち上げた事業が成功し、両親がそのあとを継ぎ、さらに事業を発展させているような企業オーナー一族などがそれにあたります。孫の世代はもうそれほど事業にコミットしなくても、会社自体は大きな組織になって動いていく。会社の株式を持っている一族は、別に働かなくても十分な資産があるというものです。
また、先代がたくさんの不動産を所有していて、その不動産の賃貸収入だけで十分贅沢ができる人たちが世の中には大勢存在するようになっています。私のように不動産を生業にしていると、この手の人たちにたくさん遭遇します。
私の知り合いのあるビルオーナーは、ビルの賃貸収益だけであり余る収入があります。ビルオーナーの仕事は毎日たくさんあるわけではありません。先代が苦労して稼いだ資金で複数の賃貸用不動産を所有していますので、彼自身は数年、サラリーマンをやって以降は、ほとんど働いていません。
ある日、私がオーナー宅を訪れた時にも、奥さまが玄関口でこうおっしゃったのは、今でもよく記憶に残っています。「あら、牧野さん、すみませんね。主人は犬の散歩に出ていますがじきに戻ります。今日5回目の散歩。暇なのよね。これじゃ散歩に付き合う犬がかわいそう」
こうした二世三世の方々は確かに毎日、かなりの余裕時間があります。私の会社は東京千代田区有楽町にありますが、平日の昼下がりに丸の内仲通りを歩くと、どうみても働いてはいなそうな若い男女がカフェでお茶する姿を見かけます。平日の新幹線のグリーン車にも明らかにビジネスマンとは異なる若いカップルや子連れの夫婦が乗り込んでいるのはまさにこの二世三世さんたちなのです。
不動産事業プロデューサー
牧野 知弘
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