息を吹き返す周辺県、郊外衛星都市
リモートワークを中心とした働き方が認知されるようになったことは、それまで「都心居住一点張り」だったワーカーの意識にも大きな影響を与えています。
「小田急電鉄の通勤定期利用者数がコロナ前の8割の水準にある」ということは、「8割に戻った」という見方があるいっぽうで、「2割は通勤定期を必要としなくなった」と読み替えることができます。完全にリモートワークになったわけではありませんが、少なくとも通勤定期を購入することに旨みがなくなった人が多くなったともいえます。
このことの社会的インパクトは、大変大きなものがあります。東京都が実施しているテレワーク実施率調査によれば、2024年3月で、調査対象企業のうち43.4%が実施していると回答しており、その比率は1年間でほぼ変わらない、つまり定着した感があります。特に従業員数が300人以上の大企業になると実施率は66.7%に跳ね上がります。大企業ほど働き方には柔軟な姿勢をみせているのです。
さらに注目されるのが、リモートワークを実施していると回答した企業の45.6%が、週3日以上実施しているとしています。こうした環境変化を背景に、もっと不動産価格が安い郊外に住もうという動きが顕在化しています。毎日であれば負担になっても週3日程度であれば、通勤時間が多少かかってもよい、子育てにも環境の良い郊外を選択する動きにつながっています。
ただ郊外であればどこでもよいかというとそうではありません。子育て政策が充実しているとされる千葉県の流山市や船橋市は、子育てファミリーに人気を博し、2024年地価公示では地価が大幅に上昇した街に数えられるようになりました。また、地方都市でも、札幌市や福岡市郊外の住宅地の地価は対前年比で10%から中には20%を超える急騰を見せたエリアまで出現しています。居住環境の良さに注目して神奈川県の湘南エリアにある藤沢市や茅ヶ崎市などの地価も上昇しています。
そのいっぽうで、同じ郊外エリアにあっても主要鉄道駅から遠く、住宅だけが軒を連ねるかつてのニュータウンなどでは過疎化が進む街も多く、郊外も完全な二極化の様相を見せ始めています。アフターコロナで選ばれる街は、なんらかのキャラクターを持つ街です。
キャラクターとはくまモンのようなものを指すというよりも、自然環境のみならず施設の充実度、子育て支援など政策の中身、コミュニティの充実度、特産物の存在など多岐にわたっています。趣味嗜好の多様化によって、ようやく住む場所にもこだわりを持つようになってきたのもアフターコロナの特徴なのです。
不動産事業プロデューサー
牧野 知弘
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