通勤定期サラリーマンはコロナ禍前の8割しか戻らず…。鉄道会社が、割引客より儲かる「インバウンド・国内旅行シフト」を加速させる必然

通勤定期サラリーマンはコロナ禍前の8割しか戻らず…。鉄道会社が、割引客より儲かる「インバウンド・国内旅行シフト」を加速させる必然

コロナ禍が明け、多くの企業がリアル勤務への回帰を促していますが、通勤定期の利用者数はいまだコロナ前の8割程度。この「失われた2割」の存在は、私たちの働き方と住まいの関係が、根本から変わったことを示唆しています。本記事では、牧野知弘氏による著書『不動産の教室 富裕層の視点が身につく25問』(大和書房)より、働き方が変わったいま、郊外で地価が急騰する「選ばれる街」と、そうでない街をわけるものはなにか、探っていきます。

息を吹き返す周辺県、郊外衛星都市

リモートワークを中心とした働き方が認知されるようになったことは、それまで「都心居住一点張り」だったワーカーの意識にも大きな影響を与えています。

 

「小田急電鉄の通勤定期利用者数がコロナ前の8割の水準にある」ということは、「8割に戻った」という見方があるいっぽうで、「2割は通勤定期を必要としなくなった」と読み替えることができます。完全にリモートワークになったわけではありませんが、少なくとも通勤定期を購入することに旨みがなくなった人が多くなったともいえます。

 

このことの社会的インパクトは、大変大きなものがあります。東京都が実施しているテレワーク実施率調査によれば、2024年3月で、調査対象企業のうち43.4%が実施していると回答しており、その比率は1年間でほぼ変わらない、つまり定着した感があります。特に従業員数が300人以上の大企業になると実施率は66.7%に跳ね上がります。大企業ほど働き方には柔軟な姿勢をみせているのです。

 

さらに注目されるのが、リモートワークを実施していると回答した企業の45.6%が、週3日以上実施しているとしています。こうした環境変化を背景に、もっと不動産価格が安い郊外に住もうという動きが顕在化しています。毎日であれば負担になっても週3日程度であれば、通勤時間が多少かかってもよい、子育てにも環境の良い郊外を選択する動きにつながっています。

 

ただ郊外であればどこでもよいかというとそうではありません。子育て政策が充実しているとされる千葉県の流山市や船橋市は、子育てファミリーに人気を博し、2024年地価公示では地価が大幅に上昇した街に数えられるようになりました。また、地方都市でも、札幌市や福岡市郊外の住宅地の地価は対前年比で10%から中には20%を超える急騰を見せたエリアまで出現しています。居住環境の良さに注目して神奈川県の湘南エリアにある藤沢市や茅ヶ崎市などの地価も上昇しています。

 

そのいっぽうで、同じ郊外エリアにあっても主要鉄道駅から遠く、住宅だけが軒を連ねるかつてのニュータウンなどでは過疎化が進む街も多く、郊外も完全な二極化の様相を見せ始めています。アフターコロナで選ばれる街は、なんらかのキャラクターを持つ街です。

 

キャラクターとはくまモンのようなものを指すというよりも、自然環境のみならず施設の充実度、子育て支援など政策の中身、コミュニティの充実度、特産物の存在など多岐にわたっています。趣味嗜好の多様化によって、ようやく住む場所にもこだわりを持つようになってきたのもアフターコロナの特徴なのです。

 

 

不動産事業プロデューサー

牧野 知弘

 

 

注目のセミナー情報

【海外不動産】12月18日(木)開催
【モンゴル不動産セミナー】
坪単価70万円は東南アジアの半額!!
世界屈指レアアース産出国の都心で600万円台から購入可能な新築マンション

 

【事業投資】12月20日(土)開催
東京・門前仲町、誰もが知る「超大手ホテルグループ」1階に出店!
飲食店の「プチオーナー」になる…初心者も参加可能な、飲食店経営ビジネスの新しいカタチとは?

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

 

※本連載は、牧野知弘氏による著書『不動産の教室 富裕層の視点が身につく25問』(大和書房)より一部を抜粋・再編集したものです。

不動産の教室 富裕層の視点が身につく25問

不動産の教室 富裕層の視点が身につく25問

牧野 知弘

大和書房

激動の時代を生き抜くための「不動産の教養」! インフレ、人手不足、外国人投資家の参入……。さまざまな要因で、現在、不動産価格は高騰しており、もはや東京のマンションはぜいたく品になってしまいました。 そんな時…

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録