「100-自分の年齢」でリスク許容度を測る
とはいえ、先人の知恵というものは存在します。それが「100-自分の年齢」の値と同じパーセントだけリスクをとるというものです。例えば、現在40歳であれば、40%は現金などの安全資産で保有し、60%は株式などのリスク資産で保有するということになります。
これは将来確保できる投資期間や健康状態を考えると、若いときには大きな失敗をしてもやり直しが比較的に容易であること、逆に年齢を重ねるにつれて失敗をリカバーするのが難しくなっていくことが考慮された運用方針です。
最初は、株価の変動が自分のメンタルにどのような影響を及ぼすか把握していく必要があります。そのため、一気に投資するのではなく、株式などのリスク資産を少しずつ増やし、実際に運用していくことで知識と経験を積み上げていくほうが好ましいでしょう。
なお、同じリスク資産という分類でもJ-REITは賃貸収益が利益の源泉となっていることから、利益成長を期待しにくいアセットクラスです。したがって、若いうちは長期的な期待リターンが最も高いアセットクラスである株式を軸に運用していくのが王道となります。J-REITへの投資は、ある程度経験を積んでからでも決して遅くはありません。あわせて覚えておきましょう。
株価暴落で途中退場…続けるための解決策は?
多くの方にとって投資でリターンを得るのに必要なことは、投資を長く続けることであると確信しています。ですが、株価が暴落したときに不安になって、投資をやめてしまう方が多いのも現実です。
どのようにすれば投資初心者が投資を続けられるのかということを、もう何年も考え続けています。万能薬などあろうはずもありませんが、1ついえるのは、「知らない」ことは恐怖を生むということです。恐怖から逃れる、解放されるために、損をしてでも株式を売却したいという気持ちになるのです。
解決策は「知る」ことです。山へ登るときに何も調べずに山頂へ向けて歩き出す人は少ないでしょう。安全に登頂するには事前にルートを知っておく必要があります。
投資も同じで、ゴールに向かって心穏やかに運用を続けるためには、投資対象のことを知っておく必要があります。
SNSなどでは、株価が下落したときに右往左往している方をよく見かけます。株価が下がって不安になる気持ちはわかりますが、これも、投資先企業の中期経営計画や業績の進捗状況をある程度把握していれば、幾分かは不安も解消されるはずです。
人は先が見通せないときに恐怖を感じます。一方、状況を把握していれば対策を講じることができます。そして、対策を講じることができれば不安もやわらいでいくでしょう。
投資対象として検討する際には、単にPERやEPS、配当利回りなどの数字だけを見て判断するのではなく、数多くの選択肢がある中で「なぜ」その銘柄へ投資するのかというところまで整理しておけば、長期保有がしやすくなります。
