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通帳残高が減る恐怖…“カスハラ老人”への変貌
年金25万円から約5万5,000円が引かれ、手元に残るのは約19万5,000円。そこから家賃6万円や光熱費、通信費、生命保険料などを支払うと、自由に使えるお金は月7万円程度しかありません。食費や雑費、交際費を賄うのは厳しく、生活のために退職金を切り崩すしかない状況でした。
毎月、通帳の残高が目に見えて減っていく。そのプレッシャーのなかで、林田さんは徐々に変わっていきます。昼間から缶酎ハイを飲み、酔った勢いでスーパーやコンビニへ。気に食わない店員の態度に声を荒らげることもしばしば。
「お前の名前、覚えたからな!」とコンビニで怒鳴り、スーパーではレジ袋が有料なことに納得がいかず店員を問い詰める。――いつしか、温厚だったはずの林田さんは、近所で“要注意人物”として警戒される存在になってしまったのです。
年金にかかる税金・社会保険料に要注意
退職後の1年間は、収入が激減するにもかかわらず、税金や社会保険料は、収入が高かった前年所得をもとに計算されます。この「タイムラグ」が、退職直後の家計を直撃するのです。現役時代であれば、そこまで大きな負担ではない金額でも、年金生活になると現役のころの所得で課せられる税金や国保料は大きな負担になります。
また、年金の繰下げ受給は、額面を増やせる有効な手段ですが、税金や社会保険料の負担も同時に増えることを忘れてはなりません。増額分が、そのまま手取りの増加に繋がるわけではないでしょう。実質の手取りが思ったほど増えないというケースはよくあります。税金や保険料への影響も考慮し、生活設計を考えなければなりません。
さらに、林田さんのように独身で十分な収入があったなら、現役時代から少額でも資産形成を行っていれば、まったく違う結果になったはずです。予想外の出費に、退職金を切り崩す以外の選択肢を持てなかったことが、彼の心の余裕を奪っていきました。
自分の望む生活を送るためには、まず必要なお金を「見える化」すること。そして、働き続ける選択も含めて、年金の受給計画や資産形成を総合的に考えていくことが大切です。

