住宅地図と公図を照らし合わせて物件を特定する方法

今回は、住宅地図と公図を照らし合わせることで、物件を特定する方法をお伝えします。※本連載は、山本芳治氏の著書『増補改訂版 公図・不動産登記簿の読み方・調べ方』(ビジネス教育出版社)の中から一部を抜粋し、不動産登記簿と公図の調査方法をご紹介します。

公図上の土地の形状等が住宅地図と一致するかを確認

ケース4 住宅地図と公図からの読み取り方

 

物件を特定するもっとも一般的な方法として、住宅地図と公図を照らし合わせる読み方を下記の図表1と図表2で見ておきましょう。

 

【図表1 本文説明物件(708-6、708-20)(687)の住宅地図】

 

(株式会社ゼンリンの「住宅地図」より引用)
(株式会社ゼンリンの「住宅地図」より引用)

 

【図表2 本文説明物件(708-6、708-20)(687)の公図写し】

 

708番6(物件)は、登記簿の表題部の「原因及びその日付」の欄に「708番1から分筆」となっています(図表3の登記事項要約書「表題部」参照)。この土地の一角は708番1からいくつかに分筆されたものであることがわかります。そうしてさらに公図上の土地の形状が対象物件の周辺を含めて住宅地図と一致することも確認できます。


この住宅地図には住居表示も記載されていますので、土地登記簿の権利部(甲区)の所有者欄を見て、その土地の所有者と住居表示上の人物との関係も読むことができます(たとえば、所有者本人が住んでいるのであろうとか、所有者とは別人(借地人)が住んでいるであろうとか)。


なお、708番6の面している708番20が当然気になります。これも登記事項要約書をみたところ、地目は「公衆用道路」と変更されており、その所有者は横○市で問題のないことが確認できました。

 

【図表3 本文説明物件(708-6、708-20)の登記事項要約書(上:新様式、下:旧様式)】

 

更地の場合は、現地調査で公図の写しと照合して特定

ケース5 更地の場合の特定の仕方


むずかしいのは更地の場合です。建物があれば住居表示番号で特定できますが、住居表示番号は建物が建たないとつきません。更地に住居表示番号とか地番とかの立看板でも立ててくれていると「ここだ」とわかるのですが、そんなことはしてありません。


こうしたケースでは、物件確認のおおよその方法としては前にあげている住宅地図の該当ページをコピーし、現地に出かけ該当物件の周辺の表札の出ている家と住宅地図でその表札の家とを照合し、さらに公図写しとも照合して物件を特定していくことになります。


図表1および図表2の687番は、住宅地図と公図という形状の違いはありますが、こうして特定できます(前にも説明したように、公図上の形状はこのケースのように必ずしも正確ではありません)。

登記と金融実務研究会 代表・不動産コンサルタント

1958年、信州大学卒業。1993年、芝信用金庫に35年間勤務の後定年退職。現在、登記と金融実務研究会代表・不動産コンサルタント。金融法学会会員。

著者紹介

連載今日から使える公図・不動産登記簿の調べ方・読み方

増補改訂版 公図・不動産登記簿の 読み方・調べ方

増補改訂版 公図・不動産登記簿の 読み方・調べ方

山本 芳治

ビジネス教育出版社

契約書および登記申請書からの読み取り方。手続法である不動産登記法だけでなく実体法である民法の学習にも役立つ。

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