査定額は目安にすぎない
タワーマンションを住み替えるにあたって、その第一歩となるのが、所有する物件の価値を知ることです。不動産仲介会社に依頼すれば、過去の取引事例などを基に「売れそうな価格」が提示されますが、ここで注意したいのは、査定額=実際の売却価格ではないという点です。
近年では、不動産業界でも「AI査定」が一般化しつつあります。膨大な成約データや周辺相場を基に自動で価格を算出するため、スピーディーで客観性があり、営業担当者の主観に左右されにくいというメリットがあります。
しかし、現在のAI査定には限界もあります。同じマンション・同じ間取りであっても、階数や方角、内装の状態、眺望、周辺環境、棟内の売り出し状況や不動産市況など、不動産エージェントにしか分からない要素によって価格は大きく変動します。
現在のAIでは、そうした繊細な「体感価値」や「ポテンシャルの差分」「不動産マーケット状況」など、マクロからミクロまでを十分に読み取ることができません。特に高価格帯のタワーマンションでは、一部屋ごとの個性が価格に与える影響が大きく、この点に関しては、不動産エージェントによるプロの見極めが欠かせません。
