(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢期の暮らしを支えるはずの年金。しかし、年金の種類によっては「働いたことで支給が止まる」ケースがあることをご存じでしょうか。年金制度は複雑で、思わぬ“落とし穴”に戸惑う人も少なくありません。今回は、パート勤務をきっかけに支給停止となった68歳女性の事例から、そのリスクを見ていきます。

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    「少しだけ働こうと思って…」年金停止の落とし穴

    「今年度分は、支給が停止になりますね」

     

    都内に住む68歳の女性・吉村典子さん(仮名)は、区役所で年金担当の職員からそう告げられた瞬間、思わず絶句したといいます。夫に先立たれ、月に約9万円の遺族年金を頼りに暮らしていた典子さん。老後の生活に少しでもゆとりを持たせようと、週3日のパート勤務を始めたのは昨年のことでした。

     

    「元気なうちは少しでも働いたほうがいいと思って…。それに、月5万円程度の収入なら、生活も楽になると思っていたんです」

     

    ところがその収入が、“ある制度”に引っかかってしまったのです。

     

    典子さんが受け取っていたのは「寡婦年金」と呼ばれる種類の遺族年金。これは、自営業者など国民年金(基礎年金)のみを納めていた夫が亡くなった場合、妻に支給される制度です。

     

    この「寡婦年金」には、「年収850万円未満」という支給要件がある厚生年金の遺族年金とは異なり、「年収が年間655万5000円以上になった場合、全額支給停止になる」というルールがあります。

     

    ところが、問題はここにとどまりませんでした。

     

    「寡婦年金」は、年間所得が“年額885,500円(65歳以上の場合)”を超えた場合に、障害年金や遺族年金との併給で「一部または全部停止」される可能性があるのです。実際、典子さんの場合も、パート収入と年金を合算した年間所得がこの基準を上回っていたため、全額停止の対象となってしまいました。

     

    「年金の制度って、ちゃんと説明を聞かないと本当にわからない。もっと早く知っていれば、週2日の勤務にとどめていたのに」

     

    典子さんはそう悔やみます。

     

    年金制度には、働いたことによる影響を受けるケースが多々あります。特に、65歳以降に受け取れる年金でも、収入や勤務形態によって停止・減額される種類があるため注意が必要です。

    次ページどの年金が「働くと減る」のか?
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