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「ショートステイのはずだったのに…」母の“決断”に動揺
「え、もう家には戻らないって…?」
都内で暮らす会社員の西村美沙子さん(仮名・52歳)は、弟からの電話に思わず言葉を失いました。要介護2の認定を受けている母が、ショートステイ先の介護施設で「今後もこのまま住みたい」と申し出たというのです。
驚いたのは、それだけではありませんでした。美沙子さんが実家に帰省し、母の荷物を整理しようとしたところ、引き出しの中から「有料老人ホーム入居契約書」が見つかったのです。契約者欄には、母の署名がしっかりと残されていました。
「私たち、まだ何も決めてなかったのに…」
ショートステイ(短期入所生活介護)は、本来数日〜数週間の短期利用を前提としたサービス。美沙子さんも「いったん預けて、その間に在宅介護の体制を整えるつもりだった」と話します。
しかし施設側からは「本人の意思で継続入居をご希望されました」と説明され、結果として既成事実化されたかたちで、母はそのまま入居することになってしまったのです。
美沙子さんは疑問を感じました。
「母は耳も遠くなっていて、契約書の意味なんてちゃんと理解できていたのかな…?」
そう言って心配する美沙子さんに対し、地方在住の弟は「母の希望なんだから、尊重しよう」と主張。結果、兄妹間で意見が食い違い、関係にもわだかまりが生まれてしまいました。
さらに問題となったのが費用面です。入居一時金は不要の施設だったものの、月額20万円を超える利用料が発生。母の年金だけでは到底まかなえず、兄妹での支援が必要になりました。
高齢の親がショートステイ中に「本人の意思」で有料老人ホームの入居契約を結ぶ――こうした事例は、珍しくありません。
厚生労働省の定めるガイドラインでは、認知症等によって判断能力が著しく低下している場合を除き、高齢者本人の意思表示は尊重されるべきとされています。
一方で、次の点には注意が必要です。
