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「知らないうちに200万円が消えていた」
「最初は通帳の記帳ミスかと思ったんです。でも、履歴をよく見ると、毎月少しずつ現金が引き出されていて…合計で200万円以上になっていました」
そう話すのは、都内に暮らす78歳の男性・正夫さん(仮名)。年金月18万円で質素に暮らしていた正夫さんは、ある日、息子・大樹さん(仮名)による無断の預金引き出しに気がつきます。
「通帳はリビングの引き出しに入れていました。何かに使うときは息子にも見せていたので、あまり警戒していなかったんです」
問い詰めた正夫さんに対して、大樹さんはこう答えたといいます。
「生活が苦しかった。でも、いつか必ず返すつもりだった。親子なんだから、それくらい許されると思っていた」
しかし、正夫さんの怒りは収まりませんでした。
「年金と少しの貯金でやっている中で、200万円は本当に大きいんです。返すあてもないのに“気持ちの問題”で済まされては困ります」
弁護士によれば、こうした家族内の無断引き出しには、窃盗罪や横領罪に該当する可能性もあるといいます。ただし、家族間の場合、刑事告訴をためらう人も多く、「怒りより悲しみが勝る」という親も少なくありません。
「息子を警察沙汰にしたいわけじゃないんです。でも、このまま何事もなかったようにされるのは納得できない」
正夫さんは、以後息子との連絡を断ち、通帳や印鑑の保管場所を変更。地域包括支援センターに相談するようになりました。
家族間の金銭のやりとりは、法律的にもグレーゾーンが多く、以下のようなリスクを含みます。
● 書面や証拠がなければ「贈与」と見なされることも
→ 貸したつもりでも、税務署には贈与扱いとされる可能性あり
● 無断の引き出しは刑事事件に発展することも
→ 通帳・カードの共有はトラブルのもと。管理方法の見直しが重要
● 将来の相続争いの火種にも
→ 「あの時あいつはお金を取っていた」ときょうだい間で争いに発展することも
