(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢者の施設入所は、「安心」と引き換えに日常の自由や人とのつながりを失うリスクもはらんでいます。身体のケアが整っていても、精神的なケアが十分でないと、入所後に孤独感や不安を深めてしまうことも。家族の支え方やコミュニケーションの取り方によって、その後の生活の質が大きく左右されることがあります。

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孤独を防ぐため…家族にできるサポート

介護施設での孤独を防ぐには、家族の存在がカギになることが多いといわれています。週に一度でも面会に訪れたり、電話で近況を話すだけでも、高齢者の不安は大きく軽減されます。

 

また、以下のような選択肢を考えることもできます。

 

●デイサービスとの併用:施設ではなく、自宅を拠点としながら通所することで孤立を防げるケースがあります。

 

●サ高住(サービス付き高齢者向け住宅):自由度が高く、軽度介護者に向いています。

 

●地域包括支援センターへの相談:精神的なケアや地域資源の活用について、継続的な相談が可能です。

 

その後、拓也さんは父と相談し、施設を一時的に退所することを決めました。現在は在宅で訪問介護サービスを受けながら、週2回のデイサービスに通う形をとっています。

 

「自宅に戻ってきてから、父が本当に穏やかな顔を見せるようになったんです。やっぱり、人と関わることって、年を重ねるほど大切になるんだと思いました」

 

「施設に入れたから安心」――そう思いたくなる気持ちも無理はありません。しかし、「心の安心」には、日々の小さな対話やぬくもりが欠かせないのかもしれません。

 

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