(※写真はイメージです/PIXTA)

相続税において、被相続人が居住していた宅地等について相続税の負担を大きく軽減する「小規模宅地等の特例」が設けられています。この特例は、残された家族が住む家を相続税のために手放さなくて済むよう配慮された制度です。しかし、適用には細かな要件があり、解釈を巡って税務当局と争いになることも少なくありません。今回は、配偶者が相続放棄をした場合に、別居している子がこの特例を適用できるかどうかが争われた事例を紹介します。

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小規模宅地等の特例の概要

小規模宅地等の特例は、被相続人が住んでいた宅地や事業用宅地などを相続する際、その評価額を最大80%減額できる制度です。我々税理士としても、相続税の申告時に最優先で検討すべき優遇制度です。

 

適用にあたっては、誰が宅地を相続するかが重要なポイントです。配偶者は最も優先的に適用され、被相続人と同居していた親族も一定の要件下で適用が可能です。しかし、別居していた親族が適用を受ける場合には、相続開始時に「被相続人の配偶者」や「同居親族」がいないことが大前提とされ、さらに、相続開始前3年以内に持ち家に住んでいないことなど厳しい要件を満たす必要があります。

 

今回の事例では、別居していた親族が小規模宅地等の特例を適用しようとした際の、「被相続人の配偶者がいないこと」という大前提の解釈が争われました。

事案の概要

死亡したAさんには妻であるBさんがいましたが、Bさんは相続を放棄したため、Aさんの居住用宅地は二男のCさんが取得することになりました。Cさんは相続開始時、勤務先の社宅に居住しており、持ち家は保有していませんでした。

 

Cさんは、Bさんの相続放棄により相続開始時点でAさんには「配偶者」がいない状態であると解釈し、自身が小規模宅地等の特例における「別居親族」の要件を満たすと考え、特例を適用して相続税の申告を行いました。しかし、税務署はこれを認めず、更正処分を行ったため、Cさんは国税不服審判所で争うことになりました。

 

【争点】

配偶者が相続放棄をした場合、別居親族は「当該被相続人の配偶者がいないこと」という要件を満たし、小規模宅地等の特例を受けられるか

 

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