税務調査で明かされた妹の隠し事
父親の遺産分割騒動から2年ほど経ったある日。税務署からお尋ねがあり、税務調査が入ることになりました。
Aさんはまったく心当たりがなく、兄も不安になったため、2人で立ち会うことにしました。税務調査当日、調査官から告げられた事実に、Aさんも兄も驚愕します。
父親の口座からは、定期的に大きな金額が引き出されていました。家族はこれを生活費だと考えていましたが、調査官は「頻繁かつ高額」であるとして、その内容を詳しく尋ねました。
質素堅実な生活をしていた父親の状況と照らし合わせると、辻褄が合いません。何度も話を辿っていくうちに、Aさんの兄は衝撃の事実を知ることになります。
それは、Aさんが学生時代から趣味にしている着物の購入費として使われていたものでした。Aさんは、父親と買い物に出かけるたびに着物を買ってもらっており、それが相続に影響するとは考えてもいませんでした。
調査官は「それは生前贈与ですね」と告げ、修正申告を求めました。着物の購入に使われたと思われる預金の引き出しは、合計で1,200万円にも上っていたのです。そして、追徴課税はなんと約480万円にもなりました。
過去にも同様のことがあったと考えた兄は、その事実に大きな衝撃を受けました。「そんなことがあったのか。であれば、2年前に均等に遺産分割の話し合いをしたのはなんだったのか」と、嫌な気持ちがこみ上げてきました。
遺産分割協議は、ともすると家族の関係を壊してしまう事態にもなりかねません。日ごろから適度なコミュニケーションをとり、顔を合わせることが非常に重要です。お盆や正月などの長期休暇こそ、家族で集まり、お墓参りなどを通して家族のことを話し合う機会を持つことは、お互いの安心にもつながります。
また、相続が発生すると口座が凍結されるため、一緒に暮らしていた家族が生活費に困ることもあります。そうした事態に備えることも大切です。遺産分割協議は長期化することもありますし、相続人に未成年者がいる場合は、さらに長期化する可能性があることも覚えておきましょう。
これらの経験を踏まえて、日ごろから家族の話し合いを大事にしていきましょう。
木戸 真智子
税理士事務所エールパートナー
税理士/行政書士/ファイナンシャルプランナー
配偶者の預金は?子ども名義の生命保険は?
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