お正月やゴールデンウィークと並び、長期休暇を取る人が多い「お盆」。この時期に田舎へ帰省し、親族一同で集まることを決まりごととしている人も多いのではないでしょうか。親族で過ごす時間は貴重なものですが、「そんなふうにはとても思えない」という声も少なくありません。今回は、その実情を見ていきましょう。

家族サービスの裏でかさむお盆コスト

彩さんがメモを見返すと、昨年、お盆帰省にかかった出費はこんな感じです。

・高速道路料金・ガソリン代…約20,000円
・義実家への手土産…10,000円
・食材・飲み物などの買い出し…3日で約50,000円
・親戚の子どもたちへのお小遣い、その他、細々した支出も合わせて
 合計:約9万円~

 

「新幹線だと高いので車で帰っていますが、帰りはいつも渋滞に巻き込まれます。たくさん食べる男の子が多いと、物価も上がってどんどんお金もかかるようになって。旅行やレジャーに使ったならまだしもと、疲れてきてしまって」と彩さんは苦笑します。

義実家側にも「お盆疲れ」発覚

この親族集合のイベントは毎年お盆とお正月の恒例行事でしたが、実は、義母も「特に夏場は人が多いと疲れてしまう」と漏らすようになったのだとか。

 

普段は静かな家が、子どもたちの大声や走り回る足音でにぎやかになるのは嬉しい反面、年齢とともに疲れがたまりやすくなってきたとのこと。つまり、彩さんだけでなく義母もお盆疲れを感じていたのです。そんな話を聞いた彩さんは、今がチャンスと夫に提案しました。

 

「今年は食材は事前に買って持っていく分だけにして、1泊にしない? 帰りがけにどこかに遊びに行けば、子どもたちも楽しいと思う」

 

実は夫も、帰省の長さを負担に感じていた部分があったとのことで、即了承。ついでに、お正月も滞在期間を短縮する話が出ていると言います。

お盆の過ごし方に変化も

親族との集まりは、思い出や絆を育む貴重な時間です。しかし、金銭面や体力面の負担が大きすぎれば、疲労や不満が積み重なり、関係悪化の火種にもなりかねません。

 

近年は「休みが合わない」「家族で別の過ごし方をしたい」などの理由で帰省をしない選択をする人も増えています。お盆の過ごし方は変化しつつあり、「行く・行かない」「泊まる・泊まらない」を柔軟に調整する時代に入ったのかもしれません。

 

大切なのは、無理をしない距離感で続けること。お盆帰省は、義理と義務感だけでこなす行事ではなく、双方が気持ちよく過ごせるためのちょうどいい落としどころを見つけることが、長く良い関係を保つ秘訣といえそうです。

 

 

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