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「厚生年金があれば安心」という幻想
「一日誰とも話さず終わる日が続くと、“もうこのまま誰にも看取られずに死ぬんだろうな”と思うことがあるんです。寂しいという感覚すら、もうよくわからなくなるんですよね」
東京都内に暮らす80歳の男性、吉川弘さん(仮名)は、5年前に妻を亡くして以来、ずっと一人暮らしを続けています。持病を抱えながら、わずかな年金で暮らす日々。頼れる家族もおらず、外出の機会も減り、いつしか誰とも口をきかない生活が当たり前になっていました。
吉川さんは長年、中小企業の営業職として勤務し、65歳で定年退職。会社員として働いていたため厚生年金を受給していますが、毎月の支給額はおよそ11万円。現役時代の年収が高くなかったため、思ったよりも支給額は少なかったといいます。
食費や光熱費、持病の通院費などを差し引くと、手元に残るお金はほとんどありません。食費を切り詰め、レトルトやインスタント食品で済ませることもしばしばありました。
「年金で何とかなると思っていたけど、実際は“ギリギリを通り越してる”感じでしたね。病院代を払うと、その月は生活費をかなり切り詰めることになります。翌月には財布の中がほとんど空っぽ、ということも珍しくありませんでした」
妻がいたころは、ささやかな会話や買い物の付き添いが日々の支えだったといいます。しかし妻を亡くした後、交流は一気に途絶えました。
「隣の家にも、最近誰が住んでいるのかよく知らない。話しかける機会なんてもうありません。知り合いに連絡しようにも、みんな先に亡くなってるか、施設に入ってるかで」
外出の頻度も減り、テレビをつけているだけの毎日。気力がなくなり、何もかもが億劫になっていたといいます。
