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ひとり住まいの高齢父、この夏をどうやって過ごしているのか…
―――ミーンミンミンミン……
朝からうだるように暑い夏のある日、都内在住の会社員・鈴木直樹さん(仮名・48歳)は、ふと手元のスマートフォンに目を落としました。横浜市郊外の実家に暮らす、父親の剛志さん(79歳・仮名)のことが気になったのでした。
数週間に一度は電話をしているものの、多忙な鈴木さんはあまり実家に足を運んでおらず、直接顔を見たのは1年近く前のことでした。
「お義父さんはお変わりないのかしら? この暑さだし、心配よね」
鈴木さんの気持ちが伝わったのか、妻の真理さん(仮名・48歳)が話しかけます。
「そうだよなぁ…」
鈴木さんの母親は5年前に亡くなり、その後、父親はずっと独り暮らしです。しかし、50代まで自衛官として働き、転勤も多く単身赴任の経験もある父親は、日常生活に不自由がないことから、直樹さんも生活にしつこく口を出すようなことはしませんでした。
「久しぶりに、顔を見に行こうか」
「そうしましょう。なにか冷たいものでも買って…」
直樹さんと真理さんは、アイスクリームやフルーツを買いこみ、車で約1時間の実家へ向かいました。
「なんなんだ、一体…!」室内の様子に絶句
家の前に車をつけると、庭はかなり荒れていて雑草が茂っています。
「まあ、草むしりなんかできないよな、この暑さでは…」
そういって玄関のチャイムを鳴らすと、白い開襟シャツをビシッと着た父親がドアを開けました。
「おう、来たか…」
「うん」
家に入ろうと一歩踏みこんだ直樹さんは、思わず叫びました。
「なんなんだ、一体ここは…まるでサウナじゃないか!」
室内には熱気を帯びた空気がこもり、呼吸するのもためらわれるほどでした。
「これはひどい、部屋の奥が揺らめいて見える…!」
タオルハンカチで口元を押さえた真理さんも、茫然とした様子でつぶやきます。
「お父さん、なんでエアコンをつけないの!? この間新しいのを買ったじゃない!」
去年のお正月、直樹さんは10年以上前からある古いエアコンが稼働しているのを見て心配になり、業者に最新型エアコンをつけてもらっていたのでした。
「なにをいっているんだ。クーラーなんか甘えだ。扇風機と麦茶で乗り切れる。お父さんの若いころは…」
姿勢を正し、麦茶の入ったグラスを片手に説教モードとなった父親の言葉を遮り、直樹さんはリビングの窓を閉めて回ると、エアコンのリモコンに手を伸ばしました。
―――ピッ。ウィーン…
しばらくすると、部屋に涼しい空気が流れ始めました。タオルハンカチで汗を拭いていた真理さんも、ほっと息をつきます。
「ほら! 涼しくなったでしょ? ずっとつけっぱなしでいいんだから…」
「いや、そこまで暑くない!」
父親はそういうと、リモコンを掴もうとします。
「そんなわけあるか、汗びっしょりかいて…!」
父親の前からリモコンを取り返すと、直樹さんはいい返しました。
遠くに救急車のサイレンが聞こえます。
「熱中症になったら大変なんだよ? 涼しくしていないと倒れてしまう」
「いや、窓を開けていれば大丈夫だ!」
不毛なやり取りに、真理さんが割って入りました。
「お願いだから、ちゃんと涼しくしてください。救急車で運ばれるようなことになったら大半じゃないですか。私、心配で…。ねえ、お義父さん?」
父親は真理さんの言葉にあいまいにうなずくと、だまってアイスクリームを口に運びました。
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「エアコン嫌い」な高齢者は少なくない
株式会社LIFULL senior/LIFULL 介護の調査※1によると、8割以上の高齢者は「熱中症にならないよう気をつけている」と回答する一方で、子世代は、6割以上が離れて暮らす親の熱中症が心配だと回答。心配の理由の3割は「親がエアコンを使っていない」というものでした。
エアコン嫌いな高齢者は多く、その背景には、エアコン設置費用のほか「電気代がもったいない」という節約志向や、「昔は扇風機だけで十分だった」というガマンの習慣が根強く残っていることも理由のようです。
しかし、熱中症は症状が重くなると命の危険がある重要な病。「老人は暑さや寒さを感じにくい」といわれているように※2、高齢者は熱中症にかかるリスクが高いといえます。高齢の家族がいる方は、十分な配慮が必要だといえます。
〈出典〉
※1 株式会社LIFULL senior/LIFULL 介護「LIFULL 介護が高齢の親と、親と離れて暮らす子を対象に熱中症予防に対する意識調査を実施」
(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000680.000033058.html)
※2 環境省「熱中症環境保健マニュアル2014」
(https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/envman/full.pdf)
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