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実際に利用できる「支援制度」
高齢の単身世帯で収入が生活扶助基準を下回る場合、生活保護制度を利用できる可能性があります。生活保護を受給することで、最低限の生活費に加え、医療費が原則無料になるなど、医療面での不安も軽減されます。
厚生労働省『被保護者調査(令和7年5月分概数)』によると、生活保護受給世帯のうち約55%が高齢者世帯に該当しており、すでに多くの高齢者が制度を利用しています。
また、全国の市区町村には「地域包括支援センター」が設置されており、高齢者の生活や健康に関する相談窓口として機能しています。ここでは、配食サービス、安否確認、緊急通報装置の設置支援、また小口の生活資金貸付など、多面的なサポートが提供されています。
さらに、住居費を抑えたい高齢者向けには、市区町村による公営住宅や、サービス付き高齢者向け住宅への入居支援制度なども存在します。たとえば東京都では、所得の低い高齢者に対して、民間賃貸住宅の家賃を月4万円まで助成する制度を実施しており、一定の条件を満たせば利用が可能です。
こうした制度が整備されていても、「自分が対象だとは思わなかった」「手続きが面倒そう」「人に知られるのが恥ずかしい」といった理由から、利用につながらないケースは少なくありません。
一人で我慢を続ける方ほど、実は支援の対象であることが多いものです。年金だけでの生活が苦しい場合、生活保護や配食サービスの対象になる可能性はあります。まずは誰かに相談する勇気が、生活を大きく変えるきっかけになります。
美代子さんは、近所の薬局で「お変わりないですか?」と声をかけられたことをきっかけに、地域包括支援センターに相談することができました。今では、週に2回の配食サービスを受け取り、少しずつ生活にゆとりを取り戻しています。
「自分から助けてとは言いづらかったけど、話を聞いてもらえて安心しました。もっと早く相談していればよかったと思います」
高齢者の困窮は、「収入の少なさ」だけでなく、「社会的孤立」や「制度へのアクセスの壁」といった複数の課題が絡み合っています。
国や自治体の支援制度を活用するには、まずつながることが必要です。そして、困っている人に「声をかける」側の存在も、社会には欠かせません。
誰もが年を重ねていくなかで、助けを求められる社会、そして助け合える地域のあり方が、今あらためて問われています。
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