年金の厳しい現実に驚愕
後日、Aさんは同い年の友人に会ったときに、その話を持ち出しました。ねんきん定期便に書かれていた年金額が少なくて驚いた。間違いか年金事務所に確認すべきか……。
すると、友人はこう答えました。
「私たちの年だったら、まだかなり少ない金額が書かれてるからね。でも、60歳でも大した金額にならないと思うよ。年収にもよるけど、私なんて月12万円ぐらいもらえるかどうか」
家計簿アプリを付けたり、NISAで積立投資をしたりするなど、Aさんからすると「お金上級者」の友人。ねんきん定期便を毎年チェックして、シミュレーションもしていたといいます。
「え、じゃあ私はそれ以下かも。どうしよう」
「ほんと、月13万円でどうやって生きていくんだって。60代なんてすぐ来るし、今から貯金しておかないと」
まだ先のこと、他人事のように思っていた老後が、ぐっと現実味を帯びて押し寄せてきた瞬間でした。
公的年金の仕組みと「ねんきん定期便」
公的年金は2階建ての仕組みで、自営業者だった人がもらえるのは1階部分の老齢基礎年金(国民年金)のみ。会社員や公務員だった人は、1階部分の老齢基礎年金に加えて、2階部分の老齢厚生年金(厚生年金)を受け取れます。
2025年度の老齢基礎年金の年金額(満額)は6万9,308円です。一方、老齢厚生年金の受給額は人によって異なり、計算式は以下の通り。
【厚生年金受給額の計算式】
平均標準報酬額(≒平均月収+賞与)×5.481/1,000×加入月数
とはいえ、これを自分で計算するのはなかなか大変です。そんなときに役立つのが「ねんきん定期便」。年金の情報が記されたハガキで、毎年誕生月に日本年金機構から送付されます。なお、35歳・45歳・59歳の誕生日には、より細かな年金加入記録などが記された封書が届きます。Aさんが見たのもこの書類です。
年金の情報を知っておくことは、家計や老後、人生のプランを考えることにもつながります。若い世代にとっては、年金はまだまだ先。そう思ってハガキを見ない人もいるかもしれませんが、毎年目を通す習慣をつけておくと安心。オンラインでいつでも年金情報が確認できる「ねんきんネット」を活用するのもよいでしょう。
「使うお金」と「貯めるお金」のバランスが重要
「友達はちゃんと考えていたのに、私は何にも考えてなかった。20代や30代と同じ感覚のままでした。推し活に使っている金額は年100万円は超えていると思います。ただ、正直計算しきれていなくて。これからはグッズ代や遠征費なんかを減らして、貯金もちゃんとしていくつもりです」
こう話すAさん。定年までまだ15年もあるタイミングで気づけたことは、幸運だったといえるかもしれません。独身でライフステージに変化がないと、支出の見直しをすることがないまま老後に突入するケースも少なくないからです。
推し活はAさんにとってかけがえのないものです。だからこそ、ずっとそれを楽しむためにも、「使うお金」と「貯めるお金」のバランスが大切です。
50代になると、より正確な年金の見込み額も示されるようになります。これを機に、生活費の見直しや資産形成について考える時間を少しだけ持ってみてはいかがでしょうか。
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