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長い会社員生活もあと少し…広がる老後の夢
都内で建築資材を取り扱う会社に勤めるAさん(仮名・63歳)。大学入学を機に地方から上京し、そのまま東京で就職。29歳のときに、同い年の女性と結婚しました。妻は専業主婦として家庭を守り、2人の子どもを育ててきました。
Aさんはというと、日々の仕事に追われる生活。趣味らしい趣味もなく、たまに読書を楽しむ程度でした。年収はピーク時で700万円ほど。けれど、自分のお小遣いは月3万円のみ。節約が当たり前の生活が、何十年も続いていました。
質素倹約を貫き、毎日、自作のおにぎりを2つ持参。それにコンビニで少しだけおかずや飲み物を足し、昼食を済ませるのが日課でした。髪を切るにも、洋服を買うにも、月数回の飲み会に出るにも、お金はギリギリです。
収入は50代前半をピークに減少に転じ、60歳になると、継続雇用への切り替えに伴い年収は一気に400万円へと下落。収入が半減したことで、仕事へのモチベーションも維持できなくなっていきました。
そんなAさんの心の支えは、「仕事に縛られない老後の暮らし」でした。大学卒業から勤続40年、転職もせずにひとつの会社で真面目に働き続けてきたAさん。有給もほとんど使えず、夏休みや年末年始に数日休める程度。それでも、文句ひとつ言わず仕事に向き合ってきました。
短い休暇中も、仕事のことが頭から離れることはありませんでした。それだけに、仕事を辞めて自由になる日を、指折り数えて待ち望んでいたのです。
Aさんには特別な趣味はありません。けれど、だからこそ、思うままに眠り、喫茶店でのんびり読書し、時には夫婦で旅行に出かける……。そんな穏やかな日々が何よりの理想でした。「何もしない時間」こそが、自分にとっての老後のご褒美だと思っていたのです。
そして、その老後まで、残すところわずか2年。65歳で完全リタイアする計画に胸を膨らませていたAさん。これまで支えてきた家族とともに、ようやく手に入れる自由な時間が待っているはずでした。
住宅ローン、子どもの教育費、老後費用。家族のために節約しながら頑張ってきた人生。その先に待つのは、安定と自由の世界だとAさんは信じていたのです。
ところが、その期待は、ある日、妻のひと言で音を立てて崩れ落ちることになります。
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