とうとう銀行から催促が…夫婦の決断
そんな生活を続けていれば、家計に負担がかかるのは当然です。住宅ローンの支払いが滞るようになり、ついに銀行から催促通知も送られてきました。
「このままでは家族の生活を守ることができない、破綻する……」
そこまで来て、ようやく神田さん夫婦は家を売ることを決意しました。タワーマンション購入からわずか4年後のことです。
見栄やプライドよりも、本当に自分たちに必要かを考えることが大切
神田さん夫婦の失敗は、収入や環境の変化を意識しなかったことです。どんな状況になっても絶対に返せるという根拠のない余裕。見栄のための趣味や生活レベル、それらが原因で最終的に貯金がまったくない状態まで陥ってしまったのです。
しかし、神田さん夫婦は幸運でした。タワーマンションは幸いにも立地や人気の影響で価格が上昇。売却額は約1億4,500万円となり、ローンの残債や諸経費を差し引いても1,800万円程度の資産が手元に残りました。
だからといって、神田さん夫婦が元のような贅沢暮らしに戻ることはありませんでした。収入に見合った生活をすることの大切さに気付いたからです。
現在、神田さん夫婦は家賃20万円の都内の賃貸マンションで生活しています。車も高級外車ではなく、燃費の良さも考慮して国産のハイブリッドカーに買い替えました。また、これまでのように頻繁に乗り換えるのではなく、できるだけ長く乗るつもりです。
マンション売却後、照美さんはファイナンシャルプランナーからのアドバイスどおりに家計簿をつけ、収入から支出を差し引いても余裕が残る程度に生活費を切り詰めることを優先して行動しています。
自己満足に溺れることなく、身の丈に合った生活レベルを考え、それを実践することが大切だと分かった神田さん夫婦。今本当に必要なものだけを考えて購入することで、毎月の収支が赤字になることもなくなったといいます。また、収支状況を夫婦で共有することで、より現実的な価値観が身に付いたとも。
タワーマンションに住み、高級外車を所有するような生活を送っていれば、優越感が得られるかもしれません。それに見合うだけの価値があると感じる人もいるでしょう。しかし、そのために家計が破綻してしまっては、本末転倒です。
見栄を守るためにお金を使うのではなく、自分たちにとっての本当の豊かさとは何かを考え、将来を見据えながらお金を使う意識が大切だと言えるでしょう。
新井智美
トータルマネーコンサルタント
CFP®
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