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1年半のラーメン屋経営
順調な滑り出しで上機嫌でしたが、2ヵ月、3ヵ月と経つと経営に暗雲が。
「お客さんもそこそこ入ってて売上は出てるのに、ぜんぜんお金が残らない……」頭を抱える長谷川さんと山本さん。
開店直後は忙しさで余裕がありませんでしたが、改めて経営を振り返ってみると、たくさんの問題点が浮かび上がってきました。こだわりの食材によって原価率は50%超え、立地のよさゆえの高額な家賃、スープの仕込みにかかる光熱費。さらに人手不足でアルバイトの時給も高止まり。定休日をなくして営業日を増やしても、利益はほとんど出ませんでした。
そんななか、山本さんとの関係もぎくしゃくしていきます。
「毎朝早く来てスープを仕込んでいるのは俺なのに、なんでバイトみたいな仕事しかしてないお前が俺と同じように毎月20万円も生活費として持っていくんだよ!」山本さんの不満が爆発しました。これに対し、長谷川さんが「誰が出資したと思ってるんだ! 俺が金を出したからお前は好きなラーメン作りができていたんだろうが!」と返したことから収拾がつかなくなります。
やがて言い争いは日常化し、オープンから10ヵ月後、山本さんは「もうやってられるか。店を辞める」と言い残して去っていきました。
その後、長谷川さんは山本さんのレシピを参考にスープを炊き、麺を打とうとしましたが、あの深みのある味はまったく再現できません。SNSの口コミには「味が落ちた」という辛辣な書き込みが増え、店のサイトの評価は下がり、常連客も離れていきます。そして開業から1年半後、店はひっそりと閉店しました。
最終的に、開業資金1,200万円はすべて使い切り、閉店にかかる原状回復費や未払いの税金・光熱費の支払いなどでさらに数百万円が消えました。手元に残ったのは、退職金のうちたった500万円。がらんどうになった店舗で、一枚の解約書にサインをする長谷川さんの表情は、苦悶に満ちています。
これからは、心許ない資金で老後の生活を送らねばなりません。
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