天井が高ければ、幅広い業種を呼び込むことが可能に
駐車場と同じく、天井も高ければ高いほど使い勝手がよくなり、その結果、幅広い業種がテナントになることが期待できます。
もっとも、工場・倉庫の建築が可能なエリアでは、建築基準法等のルールにより天井の高さが10メートル以下に制限されていることが少なくありません。新築で建てる場合には、この制限いっぱいまで天井を高くすることを、また、中古の物件を購入する際には、少しでも天井高がある物件を選ぶことを意識するようにしましょう。
たとえば、2階建ての場合には、1階、2階それぞれの天井について十分な高さがあるのかをチェックします。
まず、1階部分については、4.5~5メートルあれば、おおむねどのような用途にでも利用することが可能となるはずです(できれば最低でも3メートルの天井高は確保しておきたいところです)。
一方、2階部分については、事務所や小規模な倉庫として使われるケースが一般的です。そのため、1階ほどの天井高は不要でしょうが、それでも2.5メートル程度はほしいところです。
いずれにせよ、2階建ての場合に重要になるのは1階の天井の高さです。1階の天井高が低い物件はテナントが付きにくくなるおそれがあります。反対に、5メートル以上の高さがあれば積極的なアピール材料となるので、借り手がより見つかりやすくなるはずです。
[図表1]工場・倉庫の望ましい天井の高さ
天井が高すぎたら低くできるが、逆は不可能
ちなみに、「スーパーで陳列する商品に値札を貼る作業所として利用するので天井が低くても構わない」などというように、天井高には特にこだわらないテナントもいます。また、「冷暖房費を節約したいので、むしろ天井は低いほうがいい」と要望してくるケースもあります。
実際、ジプトンなどの化粧石膏ボードを使って天井を低くすることは簡単にできます。しかし、その逆、すなわち「低い天井を高くする」ことは困難です。
「大は小をかねる」と言いますし、テナントのほとんどはまず間違いなく高い天井を好むはずです。したがって、やはり天井の高さについては、安易に妥協しないことをお勧めします。
なお、入り口のシャッターの開口も大きめのものにしておくと、さらに使い勝手がよくなるので、テナントにより好まれる物件となるでしょう(もっとも、シャッターの大きさは後から変えることが十分に可能です)。
[図表2]天井の高さを変える