工場・倉庫投資用の物件選びで留意したい「設備」の有無

前回は、「住宅街」にある工場・倉庫への投資は避けるべき理由を説明しました。今回は、工場・倉庫投資用の物件選びで留意したい「設備」の有無について見ていきます。

余計な設備があるとテナントとしては不便

柱以外にも、テナントの自由な利用を妨げる可能性がある設備などは不用意に設けないよう気を付けましょう。エレベーターにせよ、中二階にせよ、必要なものは、基本的にテナントが自ら調達し、設置していきます。

 

反対に、余計な設備があると、テナントが本当に必要とするものを置くことができなくなってしまうかもしれません。

 

 

とりわけ、中古の物件に投資する場合には、「プラットホーム」に注意を要します。プラットホームとは、トラックなど大型車の荷台の高さに合わせて床上げする設備であり、物流倉庫では作業効率が格段に向上するので、広く活用されています。

 

しかし、物流倉庫以外では使い道がなく、しかも、一度設置すると撤去することはほぼ不可能です。つまり、「物流倉庫として使うつもりはない」というテナントにとっては、ムダに場所をふさぐだけの"障害物"でしかありません。

 

そのため、プラットホームがあると、物流業者だけしかテナントとして入らなくなるおそれがあるのです。このプラットホームのように特定の業種しか使うことができず、しかも取り外しが著しく困難な設備がある物件は、購入を見合わせるほうがよいかもしれません。

「24時間」の稼働が可能な立地か?

また、工場・倉庫の利用者には、「早朝であれ、深夜であれいつでも作業をしたい」「好きな時に荷物の出し入れをしたい」というニーズも多いので、24時間稼働できる物件が望ましいといえます。

 

しかし、24時間稼働可能な工場・倉庫を実現するためには、立地・周辺環境が重要となります。

 

たとえば、すぐ真横にマンションが隣接しているような場合には、マンション住人への配慮が求められることになり、深夜や早朝の作業はしづらくなるかもしれません。実際、近隣住民から「テナントが取り付けた看板のネオンの光が気になって眠れない」というクレームが出ることもあります。

 

こうした光害に対する苦情については遮光性のブラインドを取り付けるなどの工夫で対処することも可能ですが、騒音や振動、臭いなどに対するクレームは対策にも限界があるので、解決がより厳しくなります。

 

 

このような騒音、振動、臭い等が原因となる近隣トラブルの対策に関しては、特別なノウハウが必要となります。

株式会社タープ不動産情報 代表取締役

1965年生まれ。アウトドアスポーツの企画運営に携わったのち、26歳で不動産事業に魅了され、1999年に株式会社タープ不動産情報を創業、代表取締役に就任。居住用から事業用まであらゆる不動産の仲介、取引、トラブル解決に従事し、独自のノウハウを構築した。現在は工場・倉庫など事業用物件を中心に、管理・顧問契約を600件以上取り扱っている。不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、相続対策専門士、IRIA国際不動産投資アドバイザー、賃貸不動産経営管理士、マンション管理業務主任者、文京区役所「不動産相談」相談員、東京都宅地建物取引業協会文京区支部常任理事。

著者紹介

連載低価格のオンボロ物件でもOK!?「工場・倉庫」投資の最新事情

本連載は、2016年7月27日刊行の書籍『「工場・倉庫」投資のススメ』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

「工場・倉庫」投資のススメ

「工場・倉庫」投資のススメ

三浦 孝志

幻冬舎メディアコンサルティング

高齢化と人口減少により、空室率が上昇し続けているアパート・マンション。都心部の一等地にあるような立地条件のよい物件か、付加価値の高い築浅物件でもないかぎり、もはやアパート・マンション投資で儲けることはできません…

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