老後計画で取りこぼしがちな「援助」という名の出費
老後資金はいくらあれば足りるのか? 物価などの外的要因や個人の家計によって異なるため、明確な答えはありません。かつて話題になった“老後2,000万円問題”も、「物価上昇を考えればその2倍必要になる可能性もある」「慎ましく暮らせば、そこまでの金額は必要ない」など、さまざまな意見が飛び交っています。
いずれにせよ、外的要因は自分の力だけではどうにもなりませんが、家計管理は自分でコントロールできる部分です。その意味でも、老後に入る前にはきちんと計画を立てる必要があります。
その際、見落としがちな落とし穴があります。それが「援助」という名で家計管理から取りこぼされる出費。Aさんは、その典型的な落とし穴にはまってしまったのです。
自分の暮らしを守ることを最優先に
子どもや孫への援助は、確かに家族の絆を深めることもあります。しかし、援助が無理のない範囲を超えれば、老後を危機にさらすことになりかねません。
老後の安心を守るためには、年に一度は家計を棚卸しし、子どもや孫への援助額も含めて全体像を把握すること。また、少しでも長く働き続けることや、資産運用を取り入れることも重要です。
また、助けたいという親心があっても「自分の暮らしを守る」という冷静な視点を持ち続けることが重要です。
Aさんは自分の家計事情が判明して以降、子どもに正直に実情を話し、今後の援助はできないことを伝えたと言います。
「自分のお金を使うことで、家族みんなが幸せになる気がして、その場の気分の良さを優先してしまった。でも、自分たち夫婦が立ち行かなくなったらしょうがないですよね。これからは慎ましく生活することにしました」
子どもたちも「自分たちが甘えていた」と反省したとのこと。お金の切れ目が縁の切れ目というケースもある中、家族関係にひびが入らなかったことは、Aさんにとってせめてもの救いだったといえるでしょう。
子どもを助ける前に、まずは自分たちの暮らしを守ること。知らず知らずのうちに膨らんでいる支出がないか、今一度確認してみてはいかがでしょうか。
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