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トランプ劇場と超富裕層課税 増税か、減税か――税制が映し出すアメリカの真実
奥村眞吾(著)+ゴールドオンライン(編集)
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顧客のニーズの裏にある本質的な欲求は何か?を考える
クギを買い求めに来店した顧客が本当に求めていたのは、壁にクギを打つことではなく、クギを打つことによって美しい絵画などを飾り、殺風景な部屋を快適にすることだったという場合があります。
顧客の利益に沿うことは経営サイドの基本ですが、その求めの裏にある大きな欲求を考えてみると、提案の幅は広がっていきます。
およそ人間には、誰しも10大欲求があるとされています。生物としての根源的欲求である生存欲、食欲、社会で認められる、などが挙げられます。大体のビジネスは、この10大欲求に応じた「利益」を顧客に提供しています。
ネット番組に視聴者を奪われ、スポンサー離れの止まらないテレビ各局が連日、これでもかとグルメ特集を垂れ流しているのも、根源的な欲求に訴えて、なんとか視聴者をつなぎとめようとしているからとされています。
利益とは顧客からの売上です。モノやサービスといった、起業家の提供する「価値」を認め、それを受け取る対価としてお金を払ってくれる、ビジネスとは顧客の「欲しいもの」を提供することなのです。
もうひとつ知られているのがマズローの5段階欲求です。こちらは、
①生理的欲求
②安全の欲求
③社会的欲求
④承認欲求
⑤自己実現欲求
となり、さらに自己超越欲求を加える見方もあります。
欲求分類の先駆けともいえる米国の心理学者、ヘンリー・マレーが1938年に発表した分類体系には40種類もの欲求が並び、ビジネスで顧客の欲求や利益について考えるのにとても役立ちます。「生理的欲求」と「社会的欲求」が2大柱になっており、顧客の欲しいものと直結し、プロダクト購入への決断を引き起こす根幹となります。
例えば、顧客がダイエットしたいと、ランニングシューズを求めて買い物をはじめたとします。ダイエットしたいのは、健康のためや、痩せてまた若い時のような体型を手に入れることできれいになりたいという願望があったり、さらに異性にモテたいという願望があったりします。痩せることに成功しても、目標は達成されません。痩せて美しいと誰からも褒められた若い頃の自分を取り戻し、そのとき感じた承認欲求の高まりをもう一度獲得したいのが本願ならば、それを叶え、顧客の「利益」となるようなプランを提示することがいいかもしれません。そこでランニングメニューをつくり、食事などとともにコーチングしていくサービスがフィットネスジムのサービスです。
アップセルで最新高機能のウェアを勧めるでしょうし、ECモールではランニング中に聴く音楽やプレーヤー、ヘッドフォンをレコメンドサービスで並べるかもしれない。
マレーの欲求体系のひとつであるモチベーションは「やる気」「意欲」「動機」などの意味で、行動を起こす契機となる刺激や意欲のことですが、そこを満たすサービスとも言えます。顧客の求めるものの背景として、何が足りないと感じているのか、何が欲しいのかを考えることはビジネス戦略にもなり、売上アップにつながります。
ランニングもそうですが、顧客が登山者として、そこに併走するガイドのような気持ちになってみると、サービスが浮かびやすいかもしれません。
もうひとつ、ヒット商品はこれらを掛け合わせることで多くが誕生しています。
なぜ「プレミアムチョコ」はヒットするのか?
定番のチョコレートでも「プレミアムチョコ」というヒット商品は、生理的欲求に承認欲求を満たすものとして売れていきました。
「糖質ゼロ」を標榜するアルコール飲料は今や大量に売られていますが、もともとは生理的欲求に「太りたくない」という不安回避欲求を満たしています。
高級ブランド店で、ファンでもある顧客が限定のプレミアム商品を勧められると買いやすいのは、マレーの「顕示欲求」をも満たしているといえます。高級ブランドを身につけ、周囲に見せつけるようにして街を闊歩する女性などは、そうすることによって、根源的な欲求を満たしているのです。
そこを理解したうえでビジネスを展開させていけば、売上アップはそう難しくありません。きわめて人間的な作業であることが分かってくると思います。
林 慎太郎
株式会社LIG 代表取締役
株式会社HAYASHI INTERNATIONAL 取締役会長
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