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急増する社会保障費…現実的な選択は「高齢期も働く」のみ
団塊ジュニアとは、第2次ベビーブーム世代のことを指します。おおよそ1971年~74年生まれであり、現在50歳~54歳の方々です。
度重なる不況に苦しめられてきた団塊ジュニア。ひとつ前の世代はバブル期であり、売り手市場のなかで勤め先を決めたものですが、団塊ジュニアの彼らは就職氷河期に身を置き、職を手にしてもなお、厳しい生活を余儀なくされました。
およそ15年後、団塊ジュニアの方々が皆65歳以上になり、生産年齢人口が大幅に減少、社会保障費が急激に増加すると推測されています。これが「2040年問題」です。
団塊ジュニアが現役世代ではなくなったそのとき、日本が受けるダメージは尋常なものではありません。そんな折、示されているのは、「働き続ける」というシンプルな答えです。
“高齢者が支え手になれば、無理なく支えられる社会へ
65歳以上を「支えられる側」とすると、2017年に現役世代2.1人で1人の高齢者を支えることに。2065年には1.3人で1人の高齢者を支えることに。
75歳以上を「支えられる側」とすると、2017年に現役世代5.1人で1人の高齢者を支えることに。2065年であっても、2.4人で1人を支えることが可能。”経済産業省『2050年までの経済社会の構造変化と政策課題について』(平成30年)
老後も働いてお金を稼ぐのであれば、相応の給料を期待したいところですが、平均給与のピークは55歳~59歳の「545万円」です(男性712万円/女性330万円。国税庁『令和5年分 民間給与実態統計調査』)。
「定年後も働く」…決意の先には「給与半減」の混沌
ちなみに団塊ジュニアの該当する「40代~50代の平均年収」について見てみると、40歳~44歳の男性が612万円、女性343万円。45歳~49歳の男性が653万円、女性343万円でした。50代の平均年収の場合、50歳~54歳の男性が689万円、女性343万円。55歳~59歳の男性が712万円、女性330万円。
生涯現役に向け、高年齢者雇用安定法の改正なども行われていますが、定年後の再雇用制度が整っている企業も多いとは言えません。どんなに働き手としてキャリアを積んでいたとしても、嘱託社員になった瞬間に給与半減……といった事態は実際に起きています。
「団塊ジュニア」、そして「団塊ジュニアに支えられていた世代」にもう間もなく襲い掛かってくる、避けられぬ悲劇。給付問題ばかりが取り沙汰される昨今ですが、長期的な保障に目を向けることが求められています。
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