ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中!
『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【基本編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)
『富裕層が知っておきたい世界の税制【カリブ海、欧州編】』
矢内一好 (著)+ゴールドオンライン (編集)
『司法書士が全部教える 「一人一法人」時代の会社の作り方【実践編】』
加陽麻里布(著)+ゴールドオンライン (編集)
シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!
超富裕層サークルの内情
その日の朝、私は、ある都内の高級ホテルの最上階で、超富裕層の中国人企業家サークルの内部をよく知る女性と待ち合わせた。彼女は日中を含めた世界各地を年中飛び回っている。落ち着いた雰囲気のレストランで、彼女は器用にリンゴをナイフで切ったり、注文したカフェラテを啜りながら、私の疑問にじっくりと答えてくれた。
──東京に来ている超富裕層の企業家はどのような日常を送っていますか?
専用のドライバーがいますね。本人たちは道がわからないですから。専属の「厨師(チューシー)」(シェフ)やヘルパーもいるわ。セキュリティもいることがありますが、これは中国人ではなくローカルの人です。完全に中国語圏の生活を送っています。世界各地にビジネスで知り合った人々がいるので、そういうパートナーと各国で会ったりもします。
あと中国にいると、誰か知り合いが悪いことをした場合、当局が関係者を調査しますが、これが面倒なんです。米国とかだと拒否できるわけですが、中国ではそうはいかないの。
彼女が説明を続ける。
みんなで「打牌(ダーパイ)」したりしていますよ。
──麻雀ではなく、トランプをしているということですか? それは対面でってことですか?
そうよ。暇な生活をしてますよ。もともとビジネスが好きな人たちですが、それができなくなっているので。「自伝を書けば?」なんて話になるんですが、書けないんです。
──なんで書けないんですか?
書いたら中国に帰れなくなるからよ。
東京では赤坂にある新栄記にみなさん集まっています。中国ではミシュラン3つ星の店です。食材がいいんですよね。1人平均200ドルくらいしますが。
──他にはどういうところで集まるんですか?
自分の家ですね。公の場に出てくることはないです。
──みなさん東京の不動産にはあまり満足してないみたいですね。浴室やトイレが足りないと。
そう、海外ではみなさん「浴室(ユーシー)」(バスルーム)が2.5個あるところに住んでいます。自分たち用のバスルームが2個あり、それとは別にゲスト用のトイレがあるという意味です。
──日本人には誤解があるように思います。中国に来ている富豪は、不動産を爆買いしたくてしているわけじゃないと思うんです。他の産業が保護されているから、不動産にしか投資できないのでは?
日本にとっては「機会(ジーホェイ)」ですよね。教育、医療といった中国で十分なサービスがない分野は有望ですよね。あとこれからは農業じゃないでしょうか。中国人は食の安全を重視しているので。もうやっている方がいるんじゃないかしら。
──みなさん不動産などの資産を管理する人が各国にいるみたいですね。
自分専用のファミリーオフィスを持っています。香港やシンガポールに拠点があることが多いです。具体的な各国のチームは案件に合わせてそこが作るんです。メンバーは比較的固定されています。
──ジャック・マー氏は何をしているんでしょうか? 銀座や六本木でよく目撃されているようです。
彼はみんなで「吃吃喝喝(チーチーホァホァ)」(大いに食べたり飲んだり)するのが好きです、どの国にいても。あとはゴルフをしたりでしょうか。
──東大でポジションを得ましたよね。教師だったこともあり、教えるのが好きみたいですね。
湖畔大学での経験があるので、具体的な事例をよく知っています。ですので、ビジネススクールでケーススタディーとかは教えられると思います。
