エミン・ユルマズ氏、杉原杏璃氏、特別講演決定!
THE GOLD ONLINE フェス2025 SUMMER
~あなたの財産を守る・増やす・残すための大展示会~
★8月23日(土)/東京国際フォーラムB5・B7★
ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中!
『50代から始める終活「争族・不動産」対策』
平田康人 (著), ゴールドオンライン (編集)
『富裕層が知っておきたい世界の税制【大洋州、アジア・中東、アメリカ編】』
矢内一好 (著)、ゴールドオンライン (編集)
シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!
スポーツ選手の受賞は14人、そのうち12回は「景気拡張局面」
一番最近の国民栄誉賞は、2023年3月17日、車いすテニスの国枝慎吾氏に授与されたものだ。
国民栄誉賞は景気と深い相関がある。国民栄誉賞のうち、スポーツ選手の受賞は14人(うち1つはチーム。登山家を含む)だった。そのうち12回は景気拡張局面である。
景気拡張局面に当たらなかった2回は、1977年の王貞治氏と2012年の吉田沙保里氏だ。王氏の時は受賞の翌月が景気の谷となって拡張局面に転じ、吉田氏の受賞時は景気の谷で、受賞を境に景気は上向いた。
国民に夢と感動、社会に明るい希望や勇気を与えたスポーツ選手が国民栄誉賞を受賞する時は景気の拡張か、低迷していた景気が拡張に転じるかのいずれかになっている。なお、これに対し、文化人などスポーツ選手以外の受賞時は、景気の拡張局面と後退局面はほぼ半々である。
2013年5月5日…故・長嶋茂雄氏、国民栄誉賞での始球式の思い出
2025年6月3日、「ミスタープロ野球」として広く国民に親しまれた長嶋茂雄氏が6月3日、肺炎のため東京都内の病院で死去した。89歳だった。長嶋茂雄氏の追悼特番では、松井秀樹氏の引退セレモニーに合わせ、2013年5月5日に東京ドームで行われた両氏への国民栄誉賞での始球式を放映した。
「ミスタープロ野球」長嶋茂雄氏の本能が表れたのが、授与式後に行われた始球式だった。「4番、サード、長嶋茂雄、背番号3」のアナウンスが流れ、長嶋氏が打席に入った。原辰徳巨人監督(当時)が捕手、安倍晋三首相(当時)が球審を務め、投手の愛弟子・松井秀喜氏に対峙する形で打席に立った。
その瞬間「燃える男」に火が付いたのだろうか、2004年に脳梗塞で倒れ右半身にまひが残るため左手一本でスイングした。大歓声の中、内角高めの球にバットは空を切った。「いい球だったら打っていたと思う」と長嶋氏は、当時そう語ったと報じられた。背番号3のユニホームを着て打席に立って強打者の心が燃えたのだろう。大いに東京ドームのファンを沸かせたシーンだった。
安倍氏は、授与セレモニー後にマスコミの取材に応じ、「式で、おふたりが登場した瞬間、雰囲気が明るくなった。この明るさこそ、私たちが今の日本に求めていたもの。日本に漂ってきた暗い雰囲気を変えたい。そんな思いも込めて国民栄誉賞を贈った」と話した。
少年時代の安倍氏はサンケイアトムズ(現ヤクルトスワローズ)のファンだったようで、ドームのセレモニーで「長嶋さんが打席に立つと、『アンチ巨人』の私も、手に汗握りました」と語った。国民栄誉賞を授与した2人の姿を見て、長期の景気停滞で暗い話題が多かったなか、国民の多くが元気を感じ、マインド面からアベノミクス景気をサポートする形になったように思われる。
宅森 昭吉
景気探検家・エコノミスト
景気循環学会 副会長 ほか