(※画像はイメージです/PIXTA)

起訴やスキャンダル、有罪判決を受けながらも選挙で勝利し、大統領の座に返り咲いたトランプ氏。その姿に、「テフロン大統領」と呼ばれたロナルド・レーガン氏を重ねる声は少なくありません。ともに“外様”から政治の中枢に乗り込み、「Make America Great Again」を掲げて国民の不安と期待を背負った二人の大統領。共通点と決定的な違いとは? 本記事では、池上彰氏と増田ユリヤ氏による著書『池上彰と増田ユリヤのYouTube学園特別授業 ドナルド・トランプ全解説: 世界をかき回すトランプ氏が次に考えていること』(Gakken)から一部を抜粋・再編集し、その見解を詳しく解説します。

2人の大統領 ―「強いアメリカ」は再来するのか?

アメリカの歴代大統領の中でトランプとよく比較されるのが、ロナルド・レーガン大統領(1981〜1989年)です。レーガン大統領は「テフロン大統領」と呼ばれました。これは「イラン・コントラ事件」と呼ばれる秘密軍事支援のスキャンダルが報じられても、本人の名声にまったく傷がつかなかったことから、テフロン加工(テフロンは商標名で、フッ素樹脂加工のこと)されたフライパンになぞらえられたものです。

 

この点で、起訴や醜聞、有罪判決まで下されても大統領に選出されたトランプと重なります。いや、トランプはそれ以上と言えるかもしれません。

 

レーガン大統領は俳優出身で、1940年代から50年代に芸能界でも吹き荒れた「赤狩り」、つまり共産主義者の排斥に協力し、名を上げました。元は民主党員でしたが、後に共和党員に変わり、州知事に就任しました。小さな政府を唱えて大統領選に勝利したのです。

 

トランプも元は民主党員でしたが、共和党に転じました。小さな政府を唱え、政府効率化省(DOGE)を設置したこともレーガン大統領の方針と重なる部分があります。

 

また、対象は共産主義ではないものの、トランプ政権が徹底して「反トランプ的なもの」「リベラル的なもの」を取り締まろうとする姿勢の熾烈さは、レーガン政権の「赤狩り」と重なって見えます。

 

何よりも、トランプのスローガンである「Make America Great Again」を最初に使ったのはレーガンであり、ともに政治経験に乏しいながら、既存の政治家とは違う大統領を求める国民の声に押された点でも共通しています。

次ページレーガン大統領の「Make America Great Again」が響いたワケ

※本連載は池上彰氏と増田ユリヤ氏による著書『池上彰と増田ユリヤのYouTube学園特別授業 ドナルド・トランプ全解説: 世界をかき回すトランプ氏が次に考えていること』(Gakken)より一部を抜粋・再編集したものです。

池上彰と増田ユリヤのYouTube学園特別授業 ドナルド・トランプ全解説: 世界をかき回すトランプ氏が次に考えていること

池上彰と増田ユリヤのYouTube学園特別授業 ドナルド・トランプ全解説: 世界をかき回すトランプ氏が次に考えていること

池上 彰 増田 ユリヤ

Gakken

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