中小企業<評価基準>のブラックボックス化が“人離れ”の要因か。社員が定着→成長する「人事制度」3つのポイント【経営・人事コンサルタントが解説】

中小企業<評価基準>のブラックボックス化が“人離れ”の要因か。社員が定着→成長する「人事制度」3つのポイント【経営・人事コンサルタントが解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

中小企業への人事制度の導入・運用は、会社持続的な成長や発展を支える基盤になります。しかし、方法次第では経営者と社員の信頼関係を損ない、深い溝ができてしまうことも……。人事制度を「正しく」運用するためには、どのようなポイントに注意すべきなのでしょうか。本記事では、荻須清司氏の著書『ここで働きたいと言われる会社になる 中小企業のための人が辞めずに育つ人事制度』(幻冬舎メディアコンサルティング)から一部抜粋・再編集し、「正しい人事制度」を実現するために経営者が心がけるべき3つのポイントについて詳しく解説します。

 ポイント3 経営者自身が「率先垂範」できている

ポイント3は、人事制度を導入した経営者自身が率先垂範できているかどうかということです。

 

人が定着・成長する制度や仕組みを導入したものの、経営者が腹落ちしておらず、心の底では、「そんなに面倒なことは、私の仕事じゃない」と思い、部課長に対して「人を育てるのは君たちの仕事だからよろしく頼むよ」と丸投げするようでは、その人事制度は絶対に成功しません。

 

ある企業の例です。私は部課長層に対して「部下に『ここで成長したい』と思ってもらうためには、上司自身が部下の成長を心から願い、共に働く仲間として誠実に向き合うことが重要です」と伝えたことがありました。すると、彼らはその考えに賛同し、初めのうちは一生懸命取り組んだのですが、

 

しばらく経つとその熱意は失速してしまったのです。理由を尋ねたところ、彼らの答えはこうでした。「私たちがどれだけ努力しても、経営者自身が私たちにそう接してくれないんです」。

 

この言葉にドキッとされた経営者の方もいらっしゃると思いますが、そういった経営者の丸投げ姿勢が、せっかく熱意をもち始めた部課長のやる気をそいでしまい、制度を形だけのものにしてしまうのです。

 

中小企業では、経営者と管理職層との距離が近いため、経営者の本音や姿勢がダイレクトに伝わります。だからこそ、まず経営者自身が本気になり、率先垂範することが求められるのです。

 

経営トップが人を育てる姿勢を身をもって示さなければ、部課長も本気で部下の成長を支援することはしません。とにかく経営者自身の「率先垂範」が大前提なのです。

 

私が中小企業で社員の成長を支援する人事制度(以下「成長支援型人事制度」といいます)を導入する際は、必ず経営者に覚悟を求めます。その覚悟こそが、人事制度成功の第一歩だからです。

 

 

荻須 清司

株式会社エニシードコンサルティング 代表取締役

 

※本連載は、荻須清司氏の著書『ここで働きたいと言われる会社になる 中小企業のための人が辞めずに育つ人事制度』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・編集したものです。

ここで働きたいと言われる会社になる 中小企業のための人が辞めずに育つ人事制度

ここで働きたいと言われる会社になる 中小企業のための人が辞めずに育つ人事制度

荻須 清司

幻冬舎メディアコンサルティング

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