0~30歳までの子育てビジョンを短期・中期・長期に区切って計画
子ども一人ひとりの個性や将来の姿は異なるため、子育て計画も家庭ごとにまったく異なります。子育てビジョンはまさにわが子だけのオーダーメイドです。
計画の形式に決まりはありませんが、作りやすいのはビジネスでよく使われるツールや考え方を応用することです。例えば、目標達成シートを活用すると、頭の中の思考が整理され、より明確な将来の計画を立てやすくなります。
幼少期は、子どもの将来の価値観や生き方に大きな影響を与える重要な時期です。そのため、親としてできる限りの環境を整え、子どもがその可能性を最大限に発揮できるよう支援することが大切です。
子育てビジョンは、子どもの将来の理想像から逆算し、今やるべきことを明確にするものです。まずは、自分の子どもがどのように活躍してほしいか、その理想像を描いてみるとよいと思います。
一例として「将来は医師として活躍し、病で苦しむ人々を救い、社会に貢献してほしい」と願う場合、そこに向けて、どのような子育てビジョンを立てるべきか考えてみます。
医師になるには医学部進学が必須です。医学部は国公立・私立を問わず難関なので、毎年多くの合格者を輩出している学校に通うほうが可能性は高まります。では、そうした進学校に進むには何が必要か、と考えていくのです。
進学校に子どもが進むためには、勉強を好きになり、小学校1年生の頃から学力を着実に育むことが求められます。
特に小学校は、子どもが毎日長時間を過ごす環境であり、その影響は非常に大きいといえます。そして、高い学力を育むからこそ、親は心の教育にも力を入れて環境を整えていかなければいけません。
子育てビジョンを考える際には、以下のように時間軸に分けてみると考えやすいと思います。
まずは30年後の理想像から逆算して、25年後、20年後、15年後と5年ごとに区切りをつけるイメージで進めていきます。それぞれの段階でビジョンを描き、あるべき姿を明確にします。ここで大切なのは、まだ生まれていない赤ちゃんに対して親が勝手にストーリーを作るのではなく、自分の子どもに「こうなってほしいという夢」を書き出していくことです。
具体的に子育てビジョンを描いていきます。まずは書き慣れたペンとA4サイズの紙を何枚か用意します。ノートやレポート用紙でも構いません。
まず紙の中央に、30年後の理想像を大きく書きます。そこから線を引いて「そのためにどうすればよいか」を枝葉のように書き出していきます。例えば、人柄や健康面、学力、性格といった具体的な目標を細かく挙げていくとよいでしょう。視覚的に整理することで、子どもの将来像が明確になり、30年後の理想的な子どもの姿が具体的に浮かんできます。
次に、25年後から15年後までのビジョンを考えます。「大学を卒業して新入社員として働く頃かな」「医学部ならまだ卒業していないかも」といった子どもの将来像をイメージしながら書き出していくと楽しくビジョンを描けると思います。
さらに10年後、5年後と進めながら、年代が下がるにつれて細かく掘り下げていきます。高校生、中学生、小学生、さらに1歳や6カ月の頃の姿まで想像を広げていきます。
現在に近づくにつれて、理想的な子どもの姿と、それを実現するために親がやるべきことが次々と具体化していくと思います。こうしてビジョンを作ることで、日々の子育てに明確な目標を持つことができます。ただし、時の流れとともに親も子も状況や心情が変わることも往々にしてあります。変化に応じて目標を調整していく柔軟性を持つことも大事です。
井澤 亨
私立小学校受験専門塾「ウエルストリーム」塾長
教育コメンテーター
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