先週の為替市場…値動きの荒い一週間
為替市場では、週初、米中貿易協議で相互に発動した関税を大幅に引き下げることで合意したとの発表を受け、リスク選好姿勢が高まり、一時1米ドル=148円台半ばまで円安米ドル高が進行しました。
その後、4月の米CPIが市場予想を下回る内容となったことや、米国と韓国が為替政策を協議したとの報道を受け、今後の日米貿易協議で為替が議論されるとの観測が広がったことなどから、145円台後半まで円高米ドル安が進行するなど値動きの荒い一週間となりました。
16日には1米ドル=145.08円と、9日(145.82円)に比べて円高米ドル安となりました(図表1) 。
今週は、4月の全国CPIに注目
今週は、4月の全国消費者物価指数(総合指数、CPI)に注目しています(図表2)。
4月の全国コアCPI(生鮮食品を除く総合指数)は前年比+3.7%と3月(同+3.2%)から伸びが加速することが予想されます(全国コアCPIの推移は図表3参照)。
すでに公表された4月の東京都区部コアCPIと同様、公立高校授業料の無償化(4月から実施)が押し下げ要因になる一方、電気・ガス代の補助縮小や食料品価格の上昇などが押し上げ要因になるとみられます。足もとで物価上振れが続く一方で、今後は物価下押し圧力が強まるとみられます。
政府は物価高対策として、ガソリン価格の引き下げ(5/22~)や電気・ガス代補助金の再開(7~9月)などを実施することを表明しており、これらが夏場にかけて物価下押し要因になることが予想されます。
また、原油安や円高進行も物価上昇圧力を緩和する方向に作用するとみられます(輸入物価、為替レート、原油価格の推移は図表4参照)。
これまでのコアCPI上昇率の高止まりは、輸入物価の上昇を起点としたコストプッシュによるところが大きかっただけに、原油安や円高進行により輸入物価に下落圧力が加われば、コアCPI上昇率は鈍化に向かうと考えられます。
東京海上アセットマネジメント
※当レポートの閲覧に当たっては【ご留意事項】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【米ドル円】5月第3週の為替相場にインパクトを与える「重要な経済指標」【解説:東京海上アセットマネジメント】』を参照)。
※本記事は東京海上アセットマネジメントの「TMAMマーケットウィークリー」の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が文章を一部改変しております。
※全文は「TMAMマーケットウィークリー」をご確認ください。
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