自宅のバリアフリー化「20万円」まで介護保険の助成金が出る場合も...「在宅介護」を実践する前に知っておくべきこと【専門医が解説】

自宅のバリアフリー化「20万円」まで介護保険の助成金が出る場合も...「在宅介護」を実践する前に知っておくべきこと【専門医が解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

要介護認定を受け、病院や施設ではなく、自宅で暮らすことになったときにできる準備は何でしょうか。本記事では、中野義澄氏の著書『81歳おじいちゃん医師が教える 本当に幸せな老後』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部抜粋・再編集し、要介護度の決定方法や在宅介護サービスについて詳しく解説します。

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介護度に応じて受けられる在宅介護サービス

また、介護認定を受ければその介護度に応じて、次のようなさまざまな在宅介護サービスを受けることができます。

 

〈在宅介護サービス〉

●宿泊型介護サービス・短期入所生活介護(ショートステイ)
・短期入所療養介護(医療型ショートステイ)

 

●通所型の介護サービス・通所介護(デイサービス)
・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス)
・通所リハビリテーション(デイケア)

 

●訪問型の介護サービス・訪問介護(ホームヘルプサービス)
・訪問看護・訪問入浴介護・訪問リハビリテーション
・夜間対応型訪問介護

 

例えば、通所介護(デイサービス)では、朝に送迎車が迎えに来て、お昼か夕方頃まで施設で過ごすことができます。

 

施設についたら、血圧や体温などをチェックしてもらい、入浴やレクリエーションなどに参加して、食事を楽しみ、自宅に戻ります。このサービスは、介護をする家族の負担を軽減するためだけでなく、日中1人きりになりがちな本人にとっても大切な交流の場となります。ほかの利用者やスタッフとのふれあいが刺激となって、生活にリズムや楽しみを与えてくれます。さらに短期入所生活介護(ショートステイ)といって施設に1泊や2泊の短期間(連続での利用は30泊まで)宿泊するサービスと併用する人もいます。

 

また、訪問介護(ホームヘルプサービス)も利用できます。ヘルパーと呼ばれる訪問介護員が介護や支援が必要な人の自宅に訪問し、サポートをしてくれます。主に、直接身体に触れて行う介助や自立支援のための見守り的援助などを行う「身体介護サービス」(食事、入浴、排はい泄せつ、着替えなど)と、日常生活を送るうえで必要な家事サポートを行う「生活援助サービス」(調理、掃除、洗濯、買い物など)があります。

 

自宅を「終の棲家」にするにはこれらの在宅介護サービスを利用しながら環境を整えることが欠かせません。ただ、ヘルパーが訪問する時間は決まっていますし、訪問時に必ずしも介護の手が必要なタイミングであるとも限りません。

 

特に重度の後遺症や認知症を抱えている場合、どうしても家族の負担が大きくなるという現実があります。認知症の介護では、相手を穏やかにさせるための会話術を活用したり、口にしてはいけないものを置かないようにしたり、徘徊しないように絶えず見守ったりする必要も出てきます。

 

介護疲れで自殺したり、被介護者に危害を加えたりという事件をニュースで聞くことがありますが、厚生労働省の調査によると、毎年数百件に上るそうです。また自殺だけでなく、介護の問題をきっかけにうつになったり、離婚したり、失業したり、介護する家族側への影響は枚挙にいとまがありません。

 

私は訪問診療でそういったたくさんのご家族を見てきました。1人の家族に負担が集中してしまい、その人が本来のご自身の人生を思う存分に生きることができず疲弊してしまったり、家族間で誰が介護をするのかともめて非常にぎくしゃくした雰囲気になって、それ以降の家族関係が不仲になってしまったりする例もたくさん見てきました。また、子どもの家族と同居となると、それほど介護の負担がないケースでも互いに気疲れをしてしまい、うまくいかないケースもありました。

 

 

中野義澄

中野内科クリニック 医学博士
脳神経内科専門医
認知症サポート医

 

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※本連載は、中野 義澄氏の著書『81歳おじいちゃん医師が教える本当に幸せな老後』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部抜粋・再編集したものです。

81歳おじいちゃん医師が教える 本当に幸せな老後

81歳おじいちゃん医師が教える 本当に幸せな老後

中野 義澄

幻冬舎メディアコンサルティング

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