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「最近痩せた?」その一言から始まった“異変”
「お母さん、最近ちょっと痩せた?」
ある休日、実家を訪ねた木村直樹さん(仮名/45歳)は、母・絹代さん(仮名/78歳)の変化に違和感を覚えます。細くなった肩、力のない声、そして小さく折りたたまれた台所のメモ帳に目を通したとき、胸がざわつきました。
今日のごはん
朝:パンの耳
昼:もやしと塩
夜:豆腐半丁
「1食100円以内」と書かれたそのメモには、長年一人で頑張ってきた母の苦肉の節約術が並んでいます。
絹代さんは夫に先立たれ、月6万円の国民年金で細々と暮らしてきました。住まいは築50年の県営住宅。家賃は抑えられていても、医療費や電気代を差し引くと、自由に使えるお金は月に1万円ほどしか残りません。そのため、食費を削ることでなんとかやりくりしていたようです。
「肉? そんなの何ヵ月食べてないかしらね」
そう笑った絹代さんは、直後に台所で意識を失い、病院に運ばれました。“軽度の栄養失調”と診断され、そのまま入院することに。
直樹さんは、ただ呆然と立ち尽くすしかありませんでした。
高齢単身者の「静かな貧困」と、息子の葛藤
絹代さんのように、高齢の単身女性が貧困に陥るリスクは非常に高まっています。厚生労働省の調査(2022年)によると、65歳以上の一人暮らし女性の約半数が“相対的貧困”に該当。背景には、年金額の少なさや、配偶者の死亡による収入源の消失があります。
2024年の物価上昇も深刻です。以下は直近5年間の主要食品の値上げ幅(全国平均)です。
・豆腐:35円 → 50円(約43%上昇)
・食パン:160円 → 200円(25%上昇)
・鶏むね肉:100gあたり45円 → 70円(55%上昇)
「月6万円の年金で暮らせるわけがない」――そう嘆く声は、決して絹代さん一人のものではありません。
一方で、息子の直樹さんもまた“支える余裕”を持てない状況にありました。直樹さんは中小企業勤務で、月収は27万円。高校生の息子がおり、住宅ローンと教育費で家計は常に火の車です。共働きの妻がおりますが、それでも母を支えることができるほどの余裕はありません。
「親を助けたい。でも、家計も限界」――。心は揺れ続けていました。
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