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帰化した父親の相続手続きをしたい
江戸川区に住む山本大輔さん(仮名)は都内で会社を経営する40代の男性だ。最近、一緒に会社を経営していた父親が亡くなった。亡くなった父親の太一さん(仮名)の相続財産は、会社が入っている自社ビルの敷地のほか、会社の株式、預貯金など。
山本さん一家は、もともと在日韓国人だったが、長男である大輔さんが子どものころに家族そろって帰化したという。父親が帰化して以降の戸籍を自分たちですでに集めており、「兄弟3人以外に相続人はいない」と準備には自信があった。ここから長い苦労が始まるのだが……。
「韓国人だった」父親の戸籍を集めてみると
インターネットで「相続」と調べると、相続人を特定するためにまずは亡くなった人(被相続人)の戸籍をすべて集めきらなければならないという情報がすぐに出てくる。
大輔さんも検索サイトの情報をたよりに区役所で戸籍を集めたのだが、父親が帰化した際につくられた戸籍より古いものが入手できない、というのが最初の壁だった。これは、外国籍だった方の相続によくある悩みだ。
相続の手続きでは、生まれたときから亡くなるまでの戸籍を集める必要があるが、戸籍は日本人にしかつくられない。外国籍から日本国籍に帰化した人は、帰化して以降は日本人として戸籍があるが、帰化するまでの外国人であった期間は、日本の戸籍がない。
そのため、区役所・市役所で交付してもらえる戸籍以外の書類を外国から取り寄せるなどして集める必要がある。しかも、両親の世代は自分たちで帰化の手続きをしたので一度は集めたことがある書類だが、子どもの世代になればなるほど、両親のもとの国との関係が薄く、集める方法も親から教わっていない場合がほとんどだ。
大輔さんが相続人確定のために韓国側の書類の調査を依頼し、韓国側の書類を調べてみると驚くべき事実が判明した。なんと、韓国側の記録には、大輔さんらが知らない子ども(異母兄弟)が記載されていたのだ。
