SOC能力が高い人の特性
SOC能力は遺伝や生まれつきではなく、何歳からでも後天的に高めることができます。つらいことがあったときに、「そのことをうまく対処できた」経験から学び、乗り越えられるようになります。
SOC能力が高いといわれる人は、
①職務満足度が高く、生産性が高い
②人生に希望を見いだせ、満足している
③耐久力があり、自分の意志を貫ける
④自分をコントロールできる力がある
⑤楽観的で自信があり、臨機応変に建設的な考え方ができる
⑥ネガティブな感情を消化または好転できる
⑦自分の健康状態を良いと認知している
⑧過酷な状況においても燃え尽きないので、うつ病予防としても効果的である
という特性があります。SOC偏差値は年代が上がるほど高いこともデータから分かっています。
2種類の職務統制傾向。内的傾向の人と外的傾向の人
職務統制傾向は、行動を統制する意識の所在が自己(内的)にあるのか他者(外的)にあるのかを測る指標です。内的傾向が強い人は、自分自身の行動とその結果は自らコントロールできると考えます。つまり自分が頑張ればなんとかなると考える人です。一方、外的傾向が強い人は、自分自身の行動とその結果は、外部の力や影響で決まると考えがちです。物事は成り行きに任せることも時には必要と考える人も外的傾向の強い人です。
例えばコーチングにおいては、内的傾向の強い人は、予想外の困難に直面して自信が揺らいでいるときに積極的にコーチするのがよいとされます。一方外的傾向の強い人には、他人からの支援が期待できないような場面で自己解決の意識をもたざるを得なくなったときにコーチするとよいとされています。要は、職務統制傾向を把握することで、本人に合った指導が可能になるということです。
ハイパフォーマーにはあえて難しい仕事を与える
ハイパフォーマーは外から見ても分かりません。もしかしたら、アベレージパフォーマー(生産性が高くも低くもない普通の人)と同じ扱いを受けて物足りないと感じているかもしれません。ハイパフォーマーはさらに高みを求めて転職しようとするので、人事担当者としては誰がハイパフォーマーかを把握しておく必要があります。分かったうえでどう育てて、いかに転職させないかが大事です。
創業社長のような人たちは、自分の経験や勘、眼力でハイパフォーマーを正確に見つけることができます。次にどうするかというと、あえて難しい仕事「ストレッチゴール」を与えます。ハイパフォーマーは目標が高ければ高いほど成長する人たちなので、悪戦苦闘しながらも着実にこなすことができます。もちろん、そんな眼力のある経営者、人事担当者ばかりではないと思うので、しかるべきツールを使って伸びしろの大きい人を見つけるのが得策だと思います。
梅本 哲
株式会社医療産業研究所
代表取締役

