(画像はイメージです/PIXTA)

企業の労働生産性には社員のメンタルヘルスが大きく影響します。本稿では、人材育成という軸に、メンタルヘルスの軸を組み合わせて、組織を4つの型に分類します。組織向上のための科学的な方法論について、梅本哲氏の著書『増補改訂版 サイエンスドリブン 生産性向上につながる科学的人事』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集し、詳しく解説します。

ハイパフォーマーが誰かを知り、ローパフォーマーを成長に導く

組織には予防成長型と事後成長型、予防配慮型、事後配慮型の4つの型があり、このなかで目指すべきは、個人の成長と職場の生産性向上(パフォーマンス向上)が両立される予防成長型の組織になることです。

 

現状では、多くの組織は職場でメンタル不調が発生してから対応する事後配慮型になります。事後配慮型が不調から回復させて、マイナスからゼロに戻すこととするなら、予防成長型はゼロからプラスに引き上げることです。

 

予防成長型を目指すには、ストレスチェックの結果を活用して、ゼロポジションに組織を移行させながら、一方で予防成長型の組織を目指すことが結果的に早道です。ゼロポジションになった段階で、より積極的にパフォーマンスを伸ばす施策が取れるようになり、ストレス対処能力(パフォーマンス)が高い人材を輩出することができるようになるのです。

 

[図表1]メンタルヘルスと人材育成(ゼロからプラス)

 

予防成長型の組織を組み立てる方法として、私たちはCPA(Capacity of Adapt-ability:ビジネス適応力検査)というサービスを提供しています。

 

[図表2]PRAS と CPA

 

ビジネス適応力検査とは、自己信頼度(SE)、前向き度(SOC)のほかに職務統制傾向(LOC:Locus of Control)という指標を測定して、この3つを組み合わせて分析することで、各個人のビジネス適応力を測定する検査です。

 

ビジネス適応力とは、どんな仕事・どんな職場・どんな上司でも柔軟に対応し、困難を乗り越えようとする能力です。ビジネス適応力が高い人は、職場で難しい仕事に直面してもパフォーマンスを最大限に発揮することができます。反対に、ビジネス適応力が低いと職場の人間関係や業務内容に耐えられずメンタルヘルス不調に陥りがちで、休職したり最悪退職したりすることにつながることが分かっています。

 

ビジネス適応力を把握し、必要に応じて育成することが、戦略的な人事(HR)に求められていることなのです。

 

会社全体のパフォーマンスを高めるためには、ハイパフォーマーが誰なのかを知り、その人に牽引してもらう必要があります。一方で、育成や採用によりハイパフォーマーの数を増やす必要もあります。ハイパフォーマーをリーダーのポジションにつけることで、そのチームが活性化されることが分かっているからです。一方でローパフォーマーの底上げも必要です。

次ページハイパフォーマーにはあえて難しい仕事を与える

※本連載は、梅本哲氏の著書『増補改訂版 サイエンスドリブン 生産性向上につながる科学的人事』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集したものです。

増補改訂版 サイエンスドリブン 生産性向上につながる科学的人事

増補改訂版 サイエンスドリブン 生産性向上につながる科学的人事

梅本 哲

幻冬舎メディアコンサルティング

データに基づいた最適な人材配置で、 企業の生産性を飛躍的に向上させる! 労働安全衛生法の改正により、2015年12月から常時50人以上の従業員が働く事業所では、年1回以上のストレスチェックが義務化されています。厚生労…

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録