婚活は大学受験と同じ
彼女の理想的なお相手は、大卒でご自身と同じくらいの年収、歳の差はプラスマイナス5歳までの男性。つまりアラサー世代ど真ん中の超人気層なわけです。彼女と同じように、彼らもまた日々の仕事で疲弊しています。ゆえに、家庭をもったら家ではほっとくつろげてリラックスできる環境に身をおきたいのが本音。お互いに高め合おうみたいな女性より、一緒にいて自然体でくつろげるお相手を求める方がほとんどです。
毎日戦場で働いているからこそ、お互いの休みの日にはどちらからともなくコーヒーを淹れながら「今日どうしよっか?」「そうだね。雨だし、例のドラマの続きでも一緒に観よっか」みたいな空気感を理想としている方が多いのです。
システムに残されている彼女へのお断り理由は「丁寧でマナーもしっかりしているが、将来をともにするイメージが描けなかった」「お仕事に打ち込んでいてすてきだと思いますが、自然体の会話が難しいと感じた」など、コミュニケーションに課題があることが分かりました。
彼女は人一倍外見にも気を遣っている分、そこだけにご自身の気持ちがフォーカスされてしまい、結果ご自身が思うお断り理由と本当の理由にはかなりの乖離があったわけです。
そのため私が彼女に、外見やマナーは全く問題ないので、今後はちょっと気を抜いて、お見合いを楽しむくらいの感覚で自然体で挑んでみるようにお伝えしたところ、驚いていました。
時にはやや踏み込んだ話や指摘もしていかねばならないのが、私たちカウンセラーの仕事です。もちろん、面談時には交際希望理由も同時に開示することで皆さん笑顔が戻りますから、良いところはきちんと評価して次に活かしていっていただきたいですし、改善したらもっとスムーズになるよということは、それはそれでしっかりお伝えしていくことも、私たちにしかできない仕事だと思っています。
彼女に限らず、誰だってご自身のお断り理由なんて本当は聞きたくないと思います。ですが、私の会員さんたちはきちんと真面目に婚活に取り組んでくださっている方ばかりだからこそ、お断り理由をお伝えしても、最終的には「聞いてよかった」と心新たにまた頑張ろうという表情になっていかれます。
傷つくのは誰でも嫌です。でも例えるなら大学受験において、ご自身の弱点を理解しその教科を何度も繰り返し勉強していかないと志望校には合格できないのと同じ原理なのです。
金山 恵美子
トロワアンジュ
代表
