(※写真はイメージです/PIXTA)

人間ドックや健康診断のために病院へ訪れる場合と、すでに身体のどこかに疾病外傷があり診療のために訪れる場合とでは、当然来院者が病院に求めることは異なります。本記事では、前者の場合に焦点を当て「次回の健康診断もまたここに来たい」と思ってもらうための病院づくりの要点を、医療法人社団筑三会筑波胃腸病院理事長であり、消化器外科医の鈴木隆二氏の著書『選ばれる病院になる 予防医療の接遇力』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集し、詳しく解説します。

健康診断センターに高度な接遇スキルが必要な理由

さらにそうした高度なサービスを、限られた検査時間のなかで効率的に提供していくことが求められます。当院も1993年から手がけていた自費の人間ドックでは、一つひとつの検査やその結果について逐一、時間をかけて丁寧に説明していたこともあります。

 

しかし企業の定期健診などは、十数種類の検査を1~2時間で終えますから、1つ1つの工程にそれほど時間をかけることはできません。

 

いくら丁寧な接遇でも、受診者が求めていない説明を長々としていれば「それはいいから、早く検査を終わらせてくれ」となりますし、一方で受診者が不安に感じることを無視して検査を促すだけでは、不信感を与えてしまいます。

 

健診の一連の流れのなかで受診者が不安・不満なく、正確な検査をできるように導くには、外来・病棟とも、単なるビジネス接遇とも異なる、高度な接遇スキルが求められます。

 

そこで私たちも健診センター開設にあたり、院内の職員のなかで「健診業務に対応できる接遇力」に着目をしてふさわしい人材を配置するようにしました。

 

事務の面では健診業務の経験が豊富な職員がいましたので、その職員を中心に、受診者目線で「一般の人が健診を受けたいと思う施設とは何か」について協議を重ね、接遇だけでなく設備面や環境面、業務フローなどにも反映させました。

 

看護師では、特に接遇力が高く、さまざまな年齢・立場の受診者の信頼を得られそうな人、さらに看護師としての専門性も高く、健診センターで検査技師や事務職を含めて健診業務をリードできる人材を選定するようにしました。

 

こうした職員たちの努力と奮闘によって健診センターの開設にこぎつけ、地域の健康増進に貢献できる体制が確立しました。

 

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※本連載は、鈴木隆二氏の著書『選ばれる病院になる 予防医療の接遇力』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・編集したものです。

選ばれる病院になる 予防医療の接遇力

選ばれる病院になる 予防医療の接遇力

鈴木 隆二

幻冬舎メディアコンサルティング

著者は自身の医院で健診・検診業務を始めた際に、この考え方を大切にし、医療機関としての専門性を保ちながらもサービス業のような丁寧な対応を目指しました。「接遇」を意識したその姿勢は地域の人たちからも好評を得ており、…

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