「実力至上主義」の世界で順調に昇進していった筆者
飲食店でボーイをしていた時期もありました。営業職が辛すぎて転職し、「もうこれしかない」と逃げ込むようにはじめた「稼ぐため」の仕事です。
この夜の仕事が案外楽しくて、しかもここで培ったスキルはいまではとても生きています。あまり表立って回想できる話ではないかもしれませんが、いまの自分を形成する大事な一要素なので、ありのままを振り返ります。
最初はキャバクラのボーイをしていました。ボーイには段階があって、まずはフロントからはじまります。お店の前で「可愛い子がいますよ」と呼び込みをする仕事です。それがある程度慣れてきたら次はホール担当。このお客さんにはどの女の子をつけるのがいいだろう、というのを吟味します。これがうまくいったら今度は面接係。面接した子は自分の担当となり、抱えている子が増えると役職が上がる、といった仕組みです。
まさに実力至上主義。若くして大金を稼ぐ店長もいれば、いい年になってもフロントでせっせと汗を流す人もいる厳しい世界です。
私の場合は、周りの応援もあって、キャバクラのボーイから面接係まで、順調にステップアップすることができました。
成約率90%!? 説得テクニックを磨いた面接係の仕事
面接係を担当したのは、とある風俗店。キャバクラと風俗店の仕事内容について詳しい説明は置いておくとして……。夜の仕事に興味をもち、面接を受ける女の子の多くは、最初はキャバクラで働くためにやって来ます。私の役目は彼女たちを説得し、風俗店で働いてもらうことでした。
キャバクラと風俗店では仕事の内容がまったく違うので、説得当初女の子たちは戸惑い、難色を示します。彼女たちをいかにして安心させ、風俗店の仕事を理解してもらい、承諾してもらえるかが面接係の腕の見せどころ。
実際に風俗店で働くことを承諾してくれる子は、大体10人に1人くらいといわれていますが、私の場合、10人中9人が首を縦に振ってくれていたのです。驚異の成約率です。
私が用いた説得のテクニックは、いまも生きています。いわゆる「クロージング」。契約を勝ち取るための方法を、風俗店の面接係で磨くことができていたのです。
一体どのようなテクニックを駆使して、キャバクラの面接に来た子たちを、風俗店で働いてもらえるよう説得していたのでしょうか。あなたには分かりますか?
次回に続きます。