若いころに身につけた能力が現在の仕事に直結
現在の私を形成する要素として欠かせないのが、服飾店に勤めていた時代の経験です。
セレクト古着屋で店長を任されていたころ、最も重要とされていた能力がスタイリング。お客様の潜在的なニーズを、ヒアリングを通して抽出し、その方に満足してもらえる服装を提案することが何よりも大切でした。
服飾業で培った能力は、いまやっているコンサルティング業務に大いに生かされています。相手の話を聞いて、現状と理想とのギャップを分析し、最適なステップを提案して理想へと近づけていく流れは、スタイリングとまったく一緒。服飾業時代に学んだ「相手のニーズを引き出す力」は、そのままコンサルティングやカウンセリング業務で活用できています。
もう1つ、服飾業時代に培ったスキルが、アンテナを張るクセ。
流行を追いかけ感じ取る習慣をもち、街を歩いている人たちの間でどんな服装の方が多いかリサーチすることを当たり前のように行う。頭を常に働かせて、周りのことにアンテナを張り続けることを定着させたことで、既存の概念にとらわれず新しいことを取り入れていくビジネススタイルを築くことができました。
これは、時代の潮流に過敏に反応して、柔軟に対応していくコンサルティング業務には欠かせないスキル。もちろんビジネス全般においても大事です。アンテナを張って何でも取り入れる姿勢を楽にこなせるのは、大きなアドバンテージだと思います。
スタイリングにしろアンテナを張るクセにしろ、当時は楽しくてやっていたことばかり。いまではとてもありがたく思えます。
人それぞれ「人生経験」が違えば、稼ぐ方法も違う
このように、いまの私が携わっている事業の大部分は、これまでの人生で与えられた経験を礎(いしずえ)にして成立していることがうかがえます。だから私の場合、自分の稼ぎ方が「誰にでも簡単にできる」なんて、安易に言うことはできません。
「相手のニーズを引き出す力やアンテナを張るクセを身に付けることが大事なんだよ」とアドバイスすることはできますが、それらを自分のものにするための経験値を貯めるステージを与えることができないからです。
経験を積むことは、一筋縄ではいきません。私がそうであったように、時間と労力をかけることではじめて達成できます。
しかし、だからといって「いままで練習してこなかった自分には才能がないんだな」と諦めるのはとんだ思い違いです。あなたにはあなたの、私が培ってこなかった特別な経験があったはず。それらを生かせるかどうかが鍵だというわけです。
私を訪ねてきてくださる方には、そこからお伝えします。これまでの過程を話してもらい、その人自身が気付かなかった可能性を見出すことがコンサルタントである私の任務。
過去の経験から弾き出される可能性の先に、あなたにしかできないあなたなりの新しい成功への道標が立てられるのです。