外にアンテナを張るのではなく、自分の「内面」を見る
前回の続きです。それでは、自分と相性のよい事業を発掘するにはどうすればいいのでしょうか。
そのために必要なのは、外にアンテナを張っていろいろなビジネスを知り、チャレンジすること……ではありません。
手当たり次第ではあまりにも非効率的で、自分に合うものを見つけるのに莫大な時間を使ってしまいます。
自分に合うビジネスに出合いたいなら、まずは内面から。すなわち、自分が歩んできた過程を見直してみましょう。
自分はどんな性格か。
自分がいままでどんな仕事を経験してきたのか。
仕事の中で得意だったこと、苦手だったことは何だったか。
好きだった勉強の科目、嫌いだった科目は何だったか。
どんなことで褒められたことがあるか。
学生時代にしたアルバイトはどんな内容でどんなスキルが身に付いたか。
子どものころはどんな夢を抱いていたか。
何をしているときが一番楽しいか。
私は別の項で「学歴や経歴は関係ない」と断言していて、「過程を見直せ」と提案するのは一見矛盾しているようですが、ここで私が言いたいのはキャリアに関することではありません。「人生で経験した些細な出来事に、あなたにとって最適なビジネスのヒントが眠っている」。そう言いたいのです。
「いままでの自分」を洗い出せば、可能性に気付ける
いまの自分自身は、過去に通過したあらゆる体験と知識によって積み重ね形成されてきたものです。幼稚園から小学校、小学校から中学校というように、一つひとつ段階を積み重ねてきたからこそ、いまの自分があります。これまでの自分を踏まえずに新しいことをやってみても、うまくいくわけはありません。
自分のことを理解している人は、どんな仕事が自分に向いているか、どれだけの仕事量をこなすことができるか、どういう切り口で作業すればパフォーマンスを上げられるかなど、自分のもっているあらゆる可能性を広げることができます。
そして、純粋なモチベーションや仕事へのスタンスが他者よりも優れているので、自分への自信や周りから得られる信頼度は段違いです。
いままでの自分を洗い出してみれば、自分のもっている可能性に気付きます。相性のよいビジネスを見つけるヒントはここです。さらに理解を深めていただくため、次回、私自身を例にとって解説していきましょう。