非効率な「繰り返し作業」を断ち切る「やらない時間術」
「繰り返しの作業」は、ゼロにはできない。ただ僕らが「仕事」と呼んで過ごしている時間のうち、単純作業の繰り返しに費やしている時間は実は膨大だ。スプレッドシートへの入力や編集。メールに書く定型の挨拶文。セールスや部下への説明で同じことを繰り返す。経費処理や日報なども、繰り返しと言えばそうだろう。そして定例の会議や朝礼……。
しかし今はこれらは、ほぼ全てが僕の手を離れている。スプレッドシートに繰り返し入力・編集するような処理はマクロかプログラムにしているし、定型文はパソコンやスマホの辞書機能に登録している。「おせ」と2文字入力すると「お世話になります。シナジーブレイン、安田です。」と変換される。「めーる」と打つと「yasuda@fra-sco.co.jp」が表示される。この程度の文章を入力するのは大した手間ではないと感じるかもしれないが、積み重なると膨大な時間になる。
同じことを3回話すような場面では、動画を活用する。報告を要する相手もいないし、会議もない。人は雇っていないが、繰り返しの作業はマニュアル化して外注する。
確かにサラリーマン時代は、完全には避けられないものもあった。それでもマクロや辞書機能などは活用したら良いし、上司や同僚の理解を得れば効率化できる部分はかなりあるはずだ。
「睡眠時間・食事時間を削る」ことは、絶対にやってはいけない。サラリーマン時代はどこか誇らしげに「忙しいのでランチは行きません」とか「3時間しか寝てません」と言って仕事ができている気になっていたが、今思うとマイナスでしかない。健康に悪いのはもちろんだが、脳のパフォーマンスが落ちて仕事の効率自体が下がるのでミスが増え、誰のプラスにもなっていない。
今では毎日7時間以上の睡眠は必ず確保しているし、食事も時間はずらすことがあるが、行かないことはまずない。そもそも睡眠や食事の時間がないくらいに追い込まれた時点で負けなのだが、もしそうとしか思えない状況になったとしても、優先順位は睡眠や食事が上だ。
「依存」も「安売り」もしない…時間の価値を守る戦略
「大口顧客をつくる」は少しわかりにくいと思うが、これは時間術というよりはビジネスの安定感の問題だ。大口顧客はありがたいと思うかもしれないが、その1社に依存する度合いが高くなりすぎるので、切られたら終わりというリスクが高すぎる。言われたことを何でもしなくてはならなくなり、結果として時間も失うことになる。なので、顧客は小口で分散する仕組みをつくろうと意識している。
「時間の切り売り」は、より正確に言うと「目先のお金欲しさに、低い単価で安易に時間を切り売りすること」をしないということだ。起業したばかりの頃は仕事もなく、どんな仕事でもやらせてもらいたいという気持ちになるものだが、それをぐっとこらえた。起業当初でも1時間1万円、今では1時間10万円を下回る単価では、やらないと決めている。自社で提供する全ての商品・サービスはその単価を超えるリターンが得られるように設計している。
ただ、これは原則であって、絶対のルールではない。関係性が深い人からの依頼だとか良い経験になる、先につながると思えば低単価でも、むしろ無償でも仕事を引き受けることはある。気乗りはしないけれど時間はあるし、3万円もらえるならやっておくか……という安易な判断をしないように心がけているということだ。
安田 修
株式会社シナジーブレイン 代表取締役
信用の器 フラスコ 代表
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
注目のセミナー情報
【海外不動産】12月18日(木)開催
【モンゴル不動産セミナー】
坪単価70万円は東南アジアの半額!!
世界屈指レアアース産出国の都心で600万円台から購入可能な新築マンション
【事業投資】12月20日(土)開催
東京・門前仲町、誰もが知る「超大手ホテルグループ」1階に出店!
飲食店の「プチオーナー」になる…初心者も参加可能な、飲食店経営ビジネスの新しいカタチとは?
