アトピー性皮膚炎の天敵はストレス?
アトピー性皮膚炎の症状が青年期まで続く場合は、成人型アトピー性皮膚炎と呼ばれます。
思春期から大人にかけての時期は、再び首から顔の湿疹が強くなります。皮膚が厚くなったり、肌の表面がザラザラした状態になったり、手の湿疹が治りにくくなったりします。顔では、下まぶたにシワができたり、目の下の鼻側に黒ずみが見られたり、眉毛の外側の皮膚が薄くなったりする症状が多いです。
成人になると、顔が一時的に潮紅する、皮膚がゴワゴワして硬くなり、象の皮膚のように見える、皮膚の硬さに変化が生じるなどの症状が起こります。
アトピー性皮膚炎の患者は小さい頃から長い間皮膚をかきむしっているので、皮膚を守ろうとして分厚く硬くなっていきます。そして、触るとザラザラしたりゴワゴワしたりするようになります。
これらの症状は、まるで赤鬼のように見えることから「赤鬼様顔貌」といわれています。
顔のほぼ全体にさまざまな変化が見られますが、なぜか鼻の周りには湿疹が出ません。鼻は皮脂の分泌が盛んなので、適度に皮膚が保湿されているからだと考えられています。慢性の炎症により首にさざ波のような色素沈着も起こります。
青年期はいかにしてストレスに対処するかが重要なポイントになります。アトピー性皮膚炎はストレスによって悪化することが分かっていますが、この時期は、中学受験、高校受験、大学受験などどうしても強いストレスがかかりやすいので、ストレスによるアトピー性皮膚炎の悪化が起こりやすい時期といえます。
受験がアトピー性皮膚炎を悪化させる
過度のストレスやプレッシャーは症状を悪化させる
私は3歳のときにアトピー性皮膚炎を発症し、小学校に入学する頃には鼻炎も発症していました。
受験の際にはストレスでアトピー性皮膚炎が悪化しました。
アトピー性皮膚炎の症状を振り返ってみれば、発症してから成長に伴ってどんどん強くなっていき、中学受験や高校受験でそれぞれ症状が悪化し、大学受験のときが症状のピークだったように感じます。
小学生のときに医学の道を志し、当時は今のように中学受験用の塾などあまりなかったので、バスを乗り継いで遠くの塾に通って附属中学校の受験勉強に励みました。
受験勉強のストレスで悪化するかゆみに耐えながらもなんとか希望の中学に合格し、その後、高校受験を経て大学受験に臨みますが、現役のときはあえなく不合格になってしまいます。
母子家庭で育ったので実家は決して裕福ではなかったのですが、それでも母が「1年だけ」という約束で浪人して予備校に通わせてくれました。
このときは「絶対に失敗できない」という強いプレッシャーを感じて背水の陣で受験に臨んだので、アトピー性皮膚炎のかゆみも人生で最大のつらさだったのを今でも覚えています。
結果として1浪したあとに、無事に福井医科大学に合格することができました。
