社員の「声」が届くように
現在のように在宅フルリモートワークに切り替えてから、私が質問を受けたり判断を求められたりする機会はめっきり減りました。社員自身が各自で判断し行動するようになったのです。社員の決断に対して疑問を感じたこともありません。
このようになったのは、在宅リモートワークにシフトしてから2年ほど経った頃です。リモートワークへの移行だけでなく、社長就任以来、社員に自ら考えて行動することを促してきたことや、経営理念の浸透が功を奏した結果だと私は考えています。
在宅フルリモートワークになってから、社員と直接コミュニケーションを取るときは導入したチャットツールを活用していますが、私は普段、直接話すことがない社員とも積極的にコンタクトをとっています。あまり話したことのない社員とチャット上で会話していたとき、話が弾んで別のテーマに及び、さらにまた別のテーマへと次々と話が展開していったことがあります。
この出来事は、フルリモートワークになったことで、社員が物理的な距離を意識せずに意見を発信できるようになり、結果として社員の声が以前よりも届きやすくなったことを実感させるものでした。
フルリモートにより社員はこれまでよりも自由に考えを伝える場が増え、私に対して気軽に意見や提案を共有できるようになったのです。
社員はオフィス内での上下関係や周囲の目を気にすることなくチャットを使って発言できるので、これまで発信していなかった考えやアイデアが表に出てくるようになりました。
私自身も自分の考えに対して、社員からの意見やフィードバックを迅速に受け取ることができるようになりました。
私の会社では年に一度全社集会を行い、その年ごとにテーマを決めて社員に向けて話をしています。
以前は私の話を社員はただ聞いているだけだったのですが、2024年の全社集会では終了後に私の話に対して社員から質問が多数寄せられ、積極的な様子に驚かされました。在宅フルリモートワークに切り替えてから、会社全体の連携は確実に強化されています。
社員との距離が縮まり、より深い信頼関係が築かれていると感じています。社長のリモートワークは、まさに組織を活性化させ、自走する組織につくり替える理想的な働き方なのです。
平井 康介
株式会社セック
取締役社長
