相互関税の根拠は「米国貿易収支の国別赤字を、その国からの輸入金額で割った比率」で計算!?
トランプ米大統領が表明した「相互関税」が世界経済に大打撃を与えると懸念されています。
相互関税とは、すべての輸入品に一律10%の関税を設定し、相手国・地域の関税率や非関税障壁に応じて税率を上乗せするということです。読売新聞4月3日夕刊に、日本、中国など9ヵ国と地域に関し、非関税障壁を考慮し米国が課されていると主張する関税率と、米国が課す税率の表が掲載されています。
日本の非関税障壁などを含め米国に課している税率は46%で、日本に課す相互関税の税率は24%です。米国が課す税率は、米国が課されていると主張する関税率の約半分ということになります。
相互関税の矛盾?米国に課しているとする関税率は貿易赤字比率に酷似
ところが、読売新聞に掲載された国・地域に関してだけですが、商務省の2024年の貿易統計をみると、不思議な関係が浮かんできました。
2024年の米国貿易収支の国別赤字を、その国からの輸入金額で割った比率が、20%以上の場合、トランプ大統領の主張する非関税障壁などを含め米国に課している税率と一致するのです。
日本は▲684.68億ドルの赤字で、それを1,482.09億ドルで割ると▲46.2%で46%の税率と一致します。最大の貿易赤字国の中国は▲2,954.02億ドルの赤字で、それを4,389.47億ドルで割ると▲67.3%で67%の税率と一致します。EUは▲2,355.71億ドルの赤字で、それを6,057.60億ドルで割ると▲38.9%で39%の税率と一致します。
米国が貿易黒字になっているブラジルや英国は一律10%とみなしているようです。
これだけ世界経済を混乱させている数字です。相互関税対策は、米国に「相互関税」算出の根拠を問いただすことから始めてみたらよいかと思います。
宅森 昭吉(景気探検家・エコノミスト)
三井銀行で東京支店勤務後エコノミスト業務。さくら証券発足時にチーフエコノミスト。さくら投信投資顧問、三井住友アセットマネジメント、三井住友DSアセットマネジメントでもチーフエコノミスト。23年4月からフリー。景気探検家として活動。現在、ESPフォーキャスト調査委員会委員等。
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