月10万円を4年間借りると、返済は「月2万円超×20年」に
大学生が利用する最もメジャーな奨学金といえば、JASSO(日本学生支援機構)の奨学金。同機構による「令和4年学生生活調査」によると、奨学金を受給している大学生の割合は昼間部で55%。2人に1人が奨学金制度を利用している計算です。
JASSOの奨学金は、「給付型」と「貸与型」の2種類に分かれ、貸与型には無利子で借りられる「第一種奨学金」と利子が付く「第二種奨学金」があります。その名の通り、給付型は返済不要ですが、貸与型は卒業後に返済をしなければなりません。
例えば月5万円を4年間借り続けた場合、借入総額は240万円。返済額は年利1.0%で月あたり約1万4,400円、2%だと約1万5,600円、返済年数は15年です。月10万円を借りた場合、4年間の借入総額が480万円。年利1%なら月あたり約2万2,000円、2%なら2万4,500円。返済年数は20年です。
返済に苦しむ人も…「なんとかなる」と安易に借りるのは危険
JASSOの「令和4年度奨学金の返還者に関する属性調査結果」によると、奨学金を返済できない人は約3.6%。100人のうち3人以上が返済に窮しています。
また、労働者福祉中央協議会が2022年に実施した「奨学金や教育費負担に関するアンケート報告書」によると、奨学金の返済について「余裕がある」と回答した人は9.6%、「何とかなっている」が45.9%。一方、「苦しい」と回答した人は44.5%で、苦しいの中でも「かなり苦しい」が20.8%を占めています。
返済が難しい場合は、返還期限を先送りにする「返還期限猶予」や返済額を減らす「減額返還」といった仕組みを利用する方法もありますが、完済はその分先延ばしになります。
松井さんのケースのように、自分自身の老後計画にかかわってくる場合もあれば、子どもの結婚や出産にまで影響するケースもあります。奨学金を借りる際、返済に対して「なんとかなるだろう」と考えるのは危険と言わざるを得ません。
そのため、奨学金を借りる前には返済について十分に理解し、親子で話し合いをする時間を持ったうえで決断することをおすすめします。
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